毎回同じ前置きを打ち直していませんか。「あなたは議事録要約の担当です。決定事項とToDoと期限の3つにまとめてください」——そんな指示を、会議のたびにゼロから打ち込んでいるなら、このカスタムGPTの作り方は、あなたの手間を一段まるごと減らしてくれます。自分の手元では便利に使えているそのプロンプトも、同僚に渡したとたん「前提が分からない」「出力がバラバラになる」と崩れてしまう。原因は AI ではなく、“その都度書く指示文”のまま共有していることにあります。
カスタムGPTとは、その指示文をツールとして固定して残す仕組みです。新しい魔法でも、プログラミングが要る特別な技術でもありません。いつも打っているプロンプトを「役割・参照資料・出力形式」ごと保存して、URLで人に渡せる形にする——それだけです。本講座では、このカスタムGPTの作り方を、対象を決める→Instructions(指示)→Knowledge(参照資料)→テストして配布する、の順で、実際に手を動かしながら身につけます。
最初に、本講座が扱う範囲と、扱わない範囲をはっきりさせておきます。本講座は「毎回その場で書いている指示文を、役割と社内資料ごと固定したカスタムGPTに“組み立てて配布する”」工程に絞ります。1回限りの指示文=プロンプトそのものの良い書き方はAIプロンプトの基本が正本です。指示文の精度をさらに上げる応用はプロンプトエンジニアリング応用へ、ChatGPT そのものの使い始めや基本操作に不慣れならChatGPT入門へ、それぞれ送客します。「読ませた資料を根拠に答える」内部の仕組み(RAG)はRAGの考え方が、社外サービスへの情報の出し入れや機密の扱いはAIリテラシーと情報セキュリティが正本です。これらの深掘りには本講座では踏み込みません。
この講座を終えると、次の3つができるようになります。カスタムGPTが「毎回打つプロンプト」と何が違うか——役割・資料・出力形式を固定して再利用する点——を自分の言葉で説明できること。Instructions(役割・手順・出力形式・禁止事項)と Knowledge(参照資料)を設定して、業務専用のカスタムGPTを作成できること。そして、作ったカスタムGPTをテスト・修正し、共有範囲を選んで同僚に配布できることです。
全章を通して作り上げるのは、ひとつの題材です。「議事録要約用のカスタムGPT」を、第1章で構想し、第2章で Instructions を書き、第3章で Knowledge を入れ、第4章でテストして配布するところまで、同じものを積み上げていきます。毎回「決定事項・ToDo・期限の3点でまとめて」と打っている、あの作業を、一度作って人に渡せる道具に変える——この一本の糸を、最後まで追いかけてください。
なお、ボタン名やメニューの文言、対応ファイル形式といった画面まわりの細部は、提供元の仕様変更で変わりやすいものです。本文では「(例)」と添えたり「画面の指示に従って」と幅を持たせたりしています。最新の画面は、お使いの環境の公式ヘルプでご確認ください。
この講座のポイント
- カスタムGPTが毎回打つプロンプトと何が違うかを自分の言葉で説明でき、自分の業務で何をツール化するかを1つ決められる。
- 作る対象に対して、役割・手順・出力形式・禁止事項を Instructions として書き出せる。
- 参照させたい社内資料を Knowledge として設定でき、入れてよい資料・避ける資料を機密区分の観点で判断できる。
- 作ったカスタムGPTをテストして修正でき、共有範囲を選んで同僚に配布できる。
カスタムGPTの作り方は「毎回の指示文をツールに固定する」ことから始まる
この章のゴール
カスタムGPTが毎回打つプロンプトと何が違うかを自分の言葉で説明でき、自分の業務で何をツール化するかを1つ決められる。
カスタムGPTは「設定を保存した、自分専用のChatGPT」である
まず、カスタムGPTが何者かを押さえます。カスタムGPT(正式には GPTs と呼ばれます)とは、特定の目的・役割・トーン・知識をあらかじめ設定したカスタム版の ChatGPT です(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」)。普通の ChatGPT が「何でも答える白紙のノート」だとすれば、カスタムGPTは「あなたが設計したルールと知識に沿って動くAI」です。
ここで一番大事なのが、通常のプロンプトとの違いです。普通の ChatGPT を使うとき、あなたは毎回「あなたは議事録要約の担当です。出力は決定事項・ToDo・期限の3つで……」という前置きを打ち直しています。カスタムGPTは、その前置き(指示文)と、参照させたい資料と、使う機能を、あらかじめ設定して保存しておける“入れ物”です(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」)。一度設定してしまえば、次からは前置きを書かずに、いきなり本題の議事メモを貼るだけで、同じ形式の要約が返ってきます。違いを一言でいえば、「再利用できる」「人に共有できる」「前提が固定される」の3点です。
同じ作業を繰り返している業務ほど、ツール化が効く
では、どんな作業をカスタムGPTにするのが向いているのでしょう。判断の目安はシンプルです。同じ種類の指示を、毎回ほぼ同じ前提で繰り返している作業ほど、ツール化の効果が大きくなります。同じ前置きを3回以上コピペしているなら、それはもうカスタムGPTにしてよい合図です(出典:複数の解説記事で一致)。議事録要約、定型メールの下書き、FAQへの回答、文書フォーマットの変換——こうした「毎回ほぼ同じ指示」が出る業務が、最初の一台にぴったりです。
逆に、向かない作業もあります。一度きりで二度と使わない作業や、毎回まったく違う指示を出したい作業は、ツール化のうまみがありません。そういうものは、通常のプロンプトでその場その場で頼むほうが速い。ここでよくあるつまずきが2つあります。ひとつは、何でもかんでもカスタムGPTにしようとして、対象が大きくなりすぎること。「会社の業務全部を助けるGPT」は、結局どの仕事も中途半端になります。もうひとつは、1回しか使わない作業をわざわざツール化して、作る手間のほうが大きくなってしまうこと。最初は、毎回繰り返していて、形が決まっている作業を1つだけ選ぶのがコツです。
カスタムGPTを作る前に、対象を1つに絞る
この章で身につけてほしいのは、作る技術の前に「何をツール化するか」を決めることです。今回、本講座で共通の題材にするのは「議事録要約用カスタムGPT」です。会議のたびに、議事メモを貼って「決定事項・ToDo・期限の3点でまとめて」と打っている——その作業を、一度作って固定したツールにします。これは、繰り返していて、出力の形が決まっていて、同僚にも配れる、という条件をすべて満たす、最初の一台にうってつけの題材です。
ここで、カスタムGPTを作るには前提が1つあります。カスタムGPTの作成には、それに対応した有料のプラン/ライセンスが必要です(出典:OpenAI公式ヘルプ)。具体的なプラン名や料金は契約や時期で変わるため、本講座では断定しません。まずは、あなたのアカウントでカスタムGPTを作れる状態かを確認してください。ChatGPT 自体の使い始めや、どの画面で何を操作するかに不安があれば、ChatGPT入門で土台を固めてから戻ってくると、この先がぐっと楽になります。
この章の確認(演習)
あなたの業務から、「毎回ほぼ同じ指示を AI に打っている作業」を3つ書き出してください。SNS投稿の下書き、問い合わせへの返信、報告書のフォーマット変換など、何でも構いません。書けたら、その3つのうち、最もツール化の効果が大きい1つ——繰り返す頻度が高く、出力の形が決まっているもの——に丸をつけましょう。それが、あなたが次に作る最初のカスタムGPTの対象です。
役割を設計する(Instructions の書き方)
この章のゴール
作る対象に対して、役割・手順・出力形式・禁止事項を Instructions として書き出せる。
Instructions は「そのGPTの仕事の定義」を固定で書く欄
対象が決まったら、作成画面を開きます。カスタムGPTの作成画面(GPT Builder)には、大きく2つのやり方があります。ひとつは Create(対話形式)——AIに「議事録を要約するGPTを作りたい」と話しかけると、AIが質問しながら名前や説明、指示の下書きを自動で作ってくれます。もうひとつは Configure(手動設定)——名前や指示などの項目を、自分で直接入力していく方法です(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」)。対話形式で骨格を作ってから、Configure で細かく整えるのが現実的です。
Configure には、いくつかの設定項目があります。代表的なのは、Name(名前)/Description(説明)/Instructions(指示)/Conversation starters(会話の開始例)/Knowledge(参照ファイル)です(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」)。このうち、GPTの品質を最も左右するのが Instructions です。Instructions とは、そのGPTの“仕事の定義”——どう振る舞い、何をして、何をしないかを書く欄です。重要なのは、ここに書いた内容が毎回自動で効くこと。つまり Instructions を書く作業は、「毎回打っていた前置きプロンプトを、1か所に移し替える」作業にほかなりません。だからこそ、Instructions の中身は結局プロンプト設計そのものです。良い指示文の書き方そのものはAIプロンプトの基本が土台になりますので、不安があればそちらと往復してください。
役割・手順・出力形式・禁止事項の4ブロックで書く
では、Instructions に何を書けばよいのか。本講座では、役割・手順・出力形式・禁止事項の4ブロックに分けて書くことをおすすめします。この4つを埋めれば、GPTの振る舞いがぶれにくくなります(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」が挙げる役割・出力形式・禁止事項などの要素を整理した型)。
議事録要約GPTで、実際に書いてみましょう。役割は1文で。「あなたは議事録要約の担当アシスタントです」。手順は箇条書きで。「①貼られた議事メモを読む ②決定事項・ToDo・保留事項を拾い出す ③ToDo には担当者と期限を添える」。出力形式は見出し付きで指定します。「決定事項・ToDo(担当と期限)・保留事項、の3見出しで出力する」。そして禁止事項を明記します。「会議の雑談や本筋に関係ない発言は含めない。担当や期限が不明なものは『未定』と書く」。この4ブロックがそろうと、誰がこのGPTを使っても、決定事項・ToDo・保留事項の3見出しで、同じ形の要約が返るようになります。
曖昧な指示は出力をぶらす——短く具体的に書く
ここでのつまずきは、だいたい2つです。ひとつは、出力例や具体的な指定を入れず、「議事録をいい感じにまとめて」と曖昧なまま書いてしまうこと。これでは、毎回打つ前置きを移し替えただけの曖昧さが、そのまま固定されてしまいます。Instructions が曖昧だと、GPTの回答もぶれます(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」)。もうひとつは、逆に長く書きすぎて、何が大事なのか優先順位が伝わらなくなること。
コツは、短く、具体的に書くことです。最初から完璧を目指す必要はありません。まず4ブロックを100〜200字程度で書き、使いながら少しずつ精度を上げていく——これが現実的な進め方です。指示文をもっと精密に磨き込みたくなったら、その応用はプロンプトエンジニアリング応用に詳しくあります。本章は、その指示文を「カスタムGPTの Instructions として固定する」ところに絞ります。
この章の確認(演習)
第1章で丸をつけた業務について、Instructions を役割・手順・出力形式・禁止事項の4ブロックで書き出してください。役割は1文、手順は箇条書き、出力形式は見出しの形まで指定、禁止事項は「〜しない」の形で具体的に。書けたら、その指示を読んだ別の人が、あなたと同じ出力をイメージできるかを想像してみましょう。イメージがぶれるなら、まだ曖昧な箇所が残っています。
社内資料を読ませる(Knowledge の設定と注意点)
この章のゴール
参照させたい社内資料を Knowledge として設定でき、入れてよい資料・避ける資料を機密区分の観点で判断できる。
Knowledge は「あらかじめ読ませておく参照資料」である
Instructions で“仕事の定義”を固定したら、次は Knowledge です。Knowledge とは、そのGPTが回答を作るときに参照する、あらかじめ読ませておく資料のことです(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTのKnowledge(知識)」)。フォーマット、用語集、過去の事例集などをアップロードしておくと、GPTはその内容を踏まえて答えるようになります。アップロードした資料はユーザーには直接見えませんが、「この議事録テンプレートの並び順は」といった質問にも、資料に沿って答えられるようになります。
ここで、Instructions と Knowledge の役割の違いを押さえておきましょう。Instructions が「ルール・振る舞い」を決めるのに対し、Knowledge は「事実・背景となる参照素材」を渡すものです(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTのKnowledge(知識)」)。たとえば「決定事項・ToDo・保留事項の3見出しで出力する」はルールなので Instructions に書きます。一方、「自社の議事録はこのテンプレートの順番・見出しに従う」という具体的なひな形は、資料なので Knowledge に入れます。議事録要約GPTなら、Knowledge に「社内の議事録テンプレート」と「用語の言い換えルール(社外向けには正式名称に直す等)」を入れておくと、出力が毎回、自社の形式にぴたりと揃います。
入れてよい資料・要確認・入れない資料を、機密区分で判定する
Knowledge は便利ですが、入れる資料は選ぶ必要があります。個人情報や未公開情報を、確認しないままアップロードしないこと。これが基本です。実際、Knowledge に入れた資料の内容は、利用者が巧みに質問すると引き出されてしまうことがある、と指摘されています(出典:ACL Anthology「When GPT Spills the Tea」、Knowledge ファイル漏洩の研究)。社外にも配るかもしれないツールだと考えると、入れてよい資料は慎重に選ぶべきです。
判断の物差しは「機密区分」です。資料を、入れてよい(公開可・社内一般)/要確認(取り扱い注意・上長や規程の確認が要る)/入れない(個人情報・未公開・社外秘)の3つに振り分けてください。議事録テンプレートや一般的な用語ルールは「入れてよい」、特定の取引先名や数字が入った議事録は「要確認」または「入れない」、といった具合です。なお、扱ってよい情報の区分や、社外サービスへのアップロードの可否は、最終的には自社の規程に従ってください。情報の取り扱いをどう判断するかはAIリテラシーと情報セキュリティが正本です。また、「読ませた資料を根拠に答える」という仕組みそのものの原理を深く知りたい人はRAGの考え方へ進んでください。本章は、その原理には立ち入らず、「使ってよい資料を、安全に読ませる」実務に絞ります。
資料を準備するときのコツも一つ。見出しやリストで構造化した、読みやすいテキスト主体のファイルにしておくと、GPTが内容を拾いやすくなります(出典:Knowledge 運用のベストプラクティス)。フォントや表組みが複雑すぎる資料は、うまく解釈されないことがあります。なお、登録できる資料の数や形式には上限・対応範囲がありますが、これらは時期やプランで変わるため、具体的な数値は画面の指示に従ってください(例:PDF・Word・テキスト・表計算のファイルなど)。また、古い資料を入れたまま放置すると出力も古くなるので、資料は定期的に見直します。
この章の確認(演習)
第1章で選んだ業務について、Knowledge に入れたい資料を3つ挙げてください。テンプレート、用語集、過去の回答例など、何でも構いません。挙げたら、それぞれを「入れてよい/要確認/入れない」の3つに、機密区分の観点で振り分けましょう。「入れない」「要確認」にしたものは、なぜそう判断したのかを一言で添えてください。
テスト・修正して配布する(共有と運用)
この章のゴール
作ったカスタムGPTをテストして修正でき、共有範囲を選んで同僚に配布できる。
作って終わりではなく「試す→直す→共有する」までで完成する
Instructions と Knowledge を設定したら、カスタムGPTは一応動きます。でも、ここで配ってはいけません。作って終わりではなく、想定する入力で試し、ズレを直してから共有する——ここまでやって、ようやくツール化が完成します。最初の設定が一発で完璧に動くことは、ほとんどありません(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」が促すテストと反復)。
テストは、作成画面のプレビューで行います。議事録要約GPTなら、実際の会議を模した架空の議事メモを2〜3パターン用意して、貼り付けてみます。たとえば「決定事項は出たが期限が決まっていない会議」「ToDo が一つもなく保留事項ばかりの会議」など、形の違うメモを試すのがコツです。1パターンだけで「動いた」と判断すると、別の形のメモで崩れることに後で気づきます。
ズレたら Instructions / Knowledge に反映して、再テストする
試すと、たいてい何かしらズレが見つかります。「保留事項の見出しが抜けた」「ToDo に担当者が入っていない」「雑談まで拾ってしまった」。ここで大事なのは、ズレを Instructions か Knowledge に反映して、作り直すことです。担当者が抜けるなら、Instructions の出力形式に「ToDo には必ず担当者を書く。不明なら『担当未定』と明記」と追記します。自社の見出し順と違うなら、Knowledge のテンプレートを見直します。直したら、もう一度プレビューで再テストする。この「試す→直す→再テスト」を何回か回して、想定したどのメモでも安定して同じ形が返るようになったら、合格です。
そして、忘れてはいけないのが変更の保存です。編集して戻ってきたときは、保存(更新)をしないと、せっかくの修正が反映されません(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの作成と編集」)。特に、既存のGPTを直しに戻ったときは保存忘れが起きやすいので注意してください。
共有範囲を選んで配布する
検算ならぬテストが通ったら、いよいよ配布です。共有のとき、誰が使えるかの範囲を選べるのがカスタムGPTの要です。範囲は大きく3種類あります。自分のみ(自分だけが使える)/リンクを知る人(URLを渡した相手が使える)/公開(GPT Store で誰でも検索・利用できる)です(出典:OpenAI公式ヘルプ「GPTの共有と公開」)。
業務情報を含むツールでは、いきなり公開にしないこと。これが鉄則です。議事録要約GPTのように社内のテンプレートや用語が入っているものは、まず「自分のみ」で仕上げ、次に「リンクを知る人」で同僚にだけ共有URLを渡すのが安全です。相手は、受け取ったURLを開いて議事メモを貼るだけで、あなたと同じ3見出しの要約を受け取れます。ここで初めて、「自分の手元でしか動かなかったプロンプト」が、「誰が使っても同じ前提で動く業務専用ツール」になります。なお、リンクで共有した相手も、カスタムGPTを使うには対応プランが要る場合があります。よくあるつまずきは、自分の1パターンだけで完成扱いにすることと、業務情報入りのGPTをうっかり広い範囲に公開してしまうことです。配布後も、運用して気づいた点を Instructions / Knowledge に反映し、定期的に更新していきましょう。配布したツールをチームの業務に定着させ、運用を回していく段は生成AIの業務活用が詳しく扱います。
この章の確認(演習)
第2章・第3章で設計した(または実際に作った)カスタムGPTについて、テスト項目を3つ書いてください。「期限が未定の会議メモで、ToDo に『担当未定』と出るか」のように、具体的な入力と期待する出力の形で書きます。次に、このGPTの共有範囲を「自分だけ/社内限定(リンク)/公開」から1つ選び、なぜその範囲にするのかを1行で書きましょう。業務情報が入っているなら、なぜ公開を選ばないのかも考えてみてください。
まとめ
カスタムGPTとは、毎回打っている指示文(プロンプト)を、役割・資料・出力形式ごと固定し、再利用・共有できる業務専用ツールにすることです。新しい魔法ではなく、いつものプロンプトを「役割・資料・出力形式」ごと保存して、人に渡せる形にする工程にすぎません。作り方の順番は、これだけです。①対象を1つ決める ②Instructions(役割・手順・出力形式・禁止事項)を書く ③Knowledge(参照資料)を入れる ④テストして配布する。本講座では、この4ステップで「議事録要約用カスタムGPT」を一台、最後まで作り上げてきました。
明日からの一歩は、とてもシンプルです。あなたが毎回同じ指示を打っている業務を1つ選び、その Instructions を、役割・手順・出力形式・禁止事項の4ブロックで書き出してみてください。書けたら、それがもう、最初のカスタムGPTの設計図です。
ここから先、指示文の精度をもっと上げたいならプロンプトエンジニアリング応用へ、作ったツールをさらに自律的に動かす次の段に進みたいならAIエージェント入門へ進んでください。毎回打つ指示を、一度作って人に渡せる道具にする——その最初の一台を、ぜひ今日のうちに着手してみてください。
カスタムGPT設計シート(Instructions 4ブロック+Knowledge 棚卸し+テスト項目チェックリスト)を、メルマガ登録でダウンロードできます。 役割・手順・出力形式・禁止事項を埋める欄、入れてよい資料を機密区分で振り分ける欄、配布前のテスト項目をチェックする欄を、1枚にまとめました。次に作る一台を、この用紙に書き込みながら設計できます。登録いただいた方に無料でお届けします。
よくある質問
カスタムGPTを作るのにプログラミングの知識は必要ですか?
不要です。対話形式で目的を伝えるか、Instructions などの欄を埋めるだけで作れます。良い指示文の書き方はAIプロンプトの基本が土台になります。
Instructions と Knowledge は何が違うのですか?
Instructions は「どう振る舞うか」のルール、Knowledge は「何を参照するか」の資料です。出力形式や禁止事項はルールなので Instructions、テンプレートや用語集は資料なので Knowledge に入れます。
社内資料を Knowledge に入れても大丈夫ですか?
機密区分で「入れてよい/要確認/入れない」を判定してください。個人情報や未公開情報は入れない、が基本です。取り扱いの判断はAIリテラシーと情報セキュリティを参照してください。
作ったカスタムGPTを同僚にだけ使ってもらえますか?
できます。共有範囲を「リンクを知る人」にして、同僚にだけ共有URLを渡せば、その人だけが使えます。業務情報を含むものは公開(GPT Store)を選ばないでください。
カスタムGPTを使うのにお金はかかりますか?
カスタムGPTの作成には、それに対応した有料のプラン/ライセンスが必要です(出典:OpenAI公式ヘルプ)。具体的なプラン名や料金は時期や契約で変わるため、ご自身の環境でご確認ください。