MASTER / COMMUNICATION

相手に伝わる話の組み立て方

話す前に目的を一文で決め、材料を選び、入り口・中身・出口の骨組みに並べ、相手に合わせて組み替える。説明を「話し方」ではなく「準備」で伝わるものにする方法を、共有フォルダの例と演習で学びます。

約33分入門演習 3問講義をはじめる

※ 共有フォルダの保存ルールや会議メモの共有方法は、説明のための架空の場面です。組み立て例は唯一の正解ではありません。

この講義でできるようになること

  • 説明の目的を「誰に・何を・どうしてほしいか」の一文で決められる
  • 材料を「必ず伝える/必要なら補足する/今回は省く」に分け、事実・考え・提案を区別できる
  • 入り口・中身・出口の骨組みで、抽象と具体を行き来しながら説明を組み立てられる
  • 上司・同僚・新しく入った人など、相手に合わせて説明の中心を組み替えられる

前提知識

特になし。はじめての人でも学べます。

論理的に伝える力報連相の基本

00:00 / 22:54

1第1章なぜ、順番どおり話しても伝わらないのか

Space 再生/停止・← → 10秒移動・N / P で章を移動・C で字幕。右の「文字で読む」で、話している内容を文字で追えます。

演習:手を動かして確かめる

講義を見終えたら取り組みましょう。入力した内容はこの画面の中で使うだけで、どこにも送信されません。

問題 1 / 3

説明を作るとき、文章を書く前に最初にすることは?

選択肢

説明を組み立てる前の確認リスト

  • 目的:何のための説明か、「誰に・何を・どうしてほしいか」の一文で言えるか
  • 材料:目的に必要な情報を選べているか(必ず伝える/必要なら補足する/今回は省く)
  • 区別:確認できた事実・自分の考え・提案を混ぜていないか
  • 骨組み:入り口・中身・出口がつながっているか
  • 具体例:相手が実際の場面を想像できる例があるか
  • 出口:聞き終わったあと、相手が何をすればよいか分かるか
次の講座質問が上手い人の考え方
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第1章 なぜ、順番どおり話しても伝わらないのか

一生懸命説明したのに、結局何が言いたいの? と聞き返されたことはありませんか? 自分の中では筋道が通っている。 でも聞いている相手には伝わっていない。 実はこの違いは話し方の上手さだけで生まれるわけではありません。 話し始める前に情報をどう組み立てたか。 その準備が大きく関わっています。 例えばチームで使っている共有フォルダを整理したいとします こんな風に話すとどうでしょう 最近ファイルが結構増えていて 昨日も前の資料を探していたんですが 似た名前のフォルダがいくつかあって しかも保存する人によって場所が違うので 多分ルールを作った方がいいと思っていて 話し手が考えた過程はわかります でも相手は途中で何についての説明なのかを見失いがちです ではこうしたらどうでしょう 共有フォルダの保存ルールを統一する提案です 資料を探す時間が増え古い版を使う恐れもあるためです まずフォルダ名と保存場所を決めるところから始めたいです 同じ提案でも話の骨組みが見えると理解しやすくなります 前の講座では相手が最初に知るべきことから伝える考え方を学びました 今回はその次の段階です 頭の中に散らばる情報をどう選びどう並べどう説明として完成させるのか 最後には自分の仕事の説明を2,3分で組み立てられるようになることを目指します

第2章 話す前に「伝える目的」を決める

まず説明を作るときによくある間違いがあります それは知っていることを全部並べようとすることです 自分が調べたこと苦労したこと気づいたこと どれも大切に見えます でもそのすべてが相手にとって必要とは限りません 説明は情報をたくさん渡すことではなく 相手が理解したり判断したり動いたりできる状態を作ることです だから最初の作業は文章を 書くことではありません 何のために話すのかを一文にすることです 目的は大きく3つに分けて考えると便利です 一つ目は理解してもらう 例えば新しい業務の流れを同僚に説明するとき 2つ目は判断してもらう 例えば2つの進め方のうちどちらを選ぶか上司に相談するとき 3つ目は行動してもらう 例えば資料の入力方法をお願いするときです もちろん実際の仕事では目的が重なることもあります それでも今一番重要なのは どれかを決めると説明に必要な材料が見えます 迷ったら3つの空欄を埋めてください 誰に? 何を? どうしてほしい? 例えば同僚に新しい保存ルールを理解してもらい 次回の資料作成から使ってほしい こう言えたら必要なのはルールの内容と 実際の保存例それからいつから始めるのかです 一方フォルダ整理を思いついた昨日の出来事を 最初から全部話す必要はありません 説明を作る前に相手に起きてほしい変化を決めましょう

第3章 情報を3つの箱に整理する

目的が決まったら次は材料を整理します 最初からきれいな文章にしようとしなくて構いません 思いつく情報を一旦短いカードに書き出します 共有フォルダの例なら資料を探すのに時間がかかる 同じ名前のファイルがある フォルダの構成が人によって違う 昨日も古い資料を探したルール案があるといった具合です ここではまだ順番を考えません まず材料を外に出します 次にカードを3つの箱に分けます 必ず伝える 必要なら補足する 今回は省くです 分ける基準は自分にとって大切かどうかではありません 今回の目的に必要かどうかです 保存ルールを使ってもらうなら 何が変わるのか、どこに保存するのか、いつから始めるのかは必ず必要でしょう 昨日もファイルを探したという話は必要に応じて補足できます 毎週整理すべきか迷っているは まだ提案内容が固まっていないなら別の検討事項として切り分けられます 説明が長くなる人は情報が多いというより材料に優先順位がついていないことがあります もう一つ整理するときに大事な区別があります それは事実と自分の考えと提案を混ぜないこと 保存先が統一されていないは確認できた事実です そのせいで探す手間が増えているは まだ十分に検証していなければ仮説です そして保存ルールを決めたいは提案です この3つが一緒になると相手はどこまで確かな話なのかわからなくなります 特に仕事ではまだ測っていない効果を必ず改善すると言い切らないようにします ここで一度考えてみましょう 新しい保存ルールを同僚に使ってもらう その目的なら絶対に残すべき情報は何でしょうか 例えば、何が変わるのか、具体的にどう保存するのか、いつから使うのか この3つは外せません 正しい分類は1つに限りませんが、目的に必要な材料を残すことが大切です

第4章 話の骨組みを作る

材料が揃ったらいよいよ話を組み立てます ここでは3つの部分で考えましょう 入り口、中身、出口です 入り口では何の話なのかを示します 中身では相手が理解するための理由、例、手順を説明します 出口では最後に覚えてほしいことや 次にとる行動を伝えます 難しい話し方のテクニックを覚えるより まずこの道筋が途切れていないか確認してください ただし全ての説明を同じ順番に押し込む必要はありません 改善提案なら提案内容、理由、実施案、判断してほしいこと 新しい作業の説明なら完成イメージ、具体的な手順、注意点、確認 状況共有なら今どこまで進んでいるか 何が変わったか 次に何が起きるか 入り口と出口が必要という考え方は同じでも 中身の順番は目的によって変わります PREP法なら何でも伝わると考えるより 相手が理解する道筋を選ぶことが重要です では共有フォルダを整理する提案を 少し丁寧に組み立ててみます 入り口はこうです 共有フォルダの保存ルールを チームで統一したいと考えています 中身ではまず困っていることを説明します 今は担当者ごとに保存先が異なり 必要な資料を探しにくい状態です また似た名前のファイルがあり 最新版を見分けにくいこともあります 次に提案を具体化します そこで案件ごとにフォルダを作り ファイル名を日付 案件名、版数の順にする案を考えました 例えば10月23日のA案件の初稿なら 日付A案件V1という名前にします そして出口です まず一つの案件で試し 使いにくい点を確認した上で チーム全体に広げるか判断していただきたいです 提案を聞いた人は何が問題でどんな方法を試し 何を判断すればよいか理解できます 話が1分2分と長くなったときは 小さな道しるべも役立ちます まず現状です 次に提案内容です 最後にお願いしたいことです こうした短い言葉があるだけで聞き手は今どこの話を聞いているのかをつかめます 特に3つ以上のことを説明するときは最初に項目数を伝えると良いでしょう 変更点は3つあります といえば相手も聞く準備ができます ただし細かく分けすぎると逆に分かりにくくなるため まとまりは必要な数に絞ります

第5章 抽象と具体を行き来する

骨組みができてもまだ伝わりにくい説明があります 例えば情報管理を徹底しましょう チームの連携を強化しましょう 仕事を効率化しましょう どれも良さそうな言葉です でも聞き手はいつから何を変えれば良いのでしょうか こうした抽象的な言葉は方向性を短く伝えるには便利です 一方で行動につなげるには具体化が必要です 情報管理を徹底するなら資料は案件ごとのフォルダに保存し ファイル名には日付と版数を入れる このように相手が実際の場面を想像できるところまで下ろします 反対に具体的なことをたくさん話せば伝わるというわけでもありません フォルダ名はこうして、日付は8桁で、版数はV1からで、保存先はこの階層で、で 細かいルールだけを次々に説明されると、 聞き手はなぜそれを守る必要があるのかわからなくなります だから、具体的な行動の前に、一つ上の目的を示します 最新版を迷わず見つけるために名前と保存先を揃えます 目的があると細かなルールが単なる暗記事項ではなく意味のある行動になります おすすめは抽象から具体へ進み最後に理解を確かめる流れです 例えば連絡漏れを防ぎましょうと要点を言います 次に依頼するときは担当者と期限をセットで書きますと具体化します そして次の依頼からどんな書き方に変えられそうですかと確認します 相手が説明を聞いてうなずいていても自分の言葉で使えるとは限りません 理解の確認まで含めて説明を設計しましょう 具体例はたくさん用意する必要はありません 初めて聞く人が実際の場面を想像できる 身近な例を一つ丁寧に見せる方が伝わることがあります もし例を出した後に話が長くなったら つまりここで大切なのはと要点に戻してください 具体例は主役ではなく理解を助ける道具です

第6章 相手に合わせて組み替える

ここまでで情報を選び骨組みを作り具体例を入れるところまで進みました 最後の仕上げは相手に合わせることです 同じ保存ルールの話でも上司に提案するとき同僚にお願いするとき 新しく入った人に教えるときでは必要な説明が違います 大事なのは相手の役職だけで説明を決めつけないこと 何を知っていて、何を知りたくて、今回どんな役割を担うかを考えます。 例えば、上司にルールの導入を相談するなら、変更の理由と試す範囲、 判断してほしいことが中心です。 資料の保存場所がばらついているため、案件ごとのフォルダと命名ルールを試したいです。 まず、一案件で運用し、負担や探しやすさを確認した上で、展開を判断していただけますか ここで上司が知りたいのは、細かな操作方法よりも、なぜ試すのか、どんな影響があるのか、 何を決める必要があるのか、です ただし、すでに操作方法について質問されているなら、その質問に合わせて説明を変えます 同僚に使い始めてもらうなら実際の操作が中心です 次に作る資料から案件名のフォルダに保存してください ファイル名は日付、案件名、版数の順にします 迷う資料があれば勝手に移さず一旦確認してください ここで必要なのは何をどうするかです 上司への説明に使った導入の検討経緯を 同じ長さで繰り返す必要はありません 新しく入った人なら そもそもフォルダの構造を知らないかもしれません まず完成した保存例を画面で見せて どこを開きどう名前を付けるかを 一緒に確認する方が伝わるでしょう 専門用語を使うときには 相手が意味を知っているかを確かめます 説明が終わったら ここまでで不明なところはありますかと聞くだけでなく 次の資料はどこに保存できそうですかと 実際の行動につなげて確かめることもできます

第7章 実践演習とまとめ

最後に、一緒に説明を組み立てましょう。 あなたは、会議メモの共有方法をチームに説明する担当者です。 現在は、担当者ごとに別々の場所へメモを保存していて、 会議で何が決まったのかを後から探しにくい状態です。 そこで、共通フォルダにメモを置き、冒頭に決定事項と担当者を書く方法を、 来週の定例から試したいと考えています チームメンバーに、この方法を理解して、実際に試してもらうための説明を考えてください まず、入り口、中身、出口の3つに分けてみましょう 入り口で話題を示し、中身で理由と具体的な方法を伝え、 出口でいつから何をしてほしいかを説明します ここで一度動画を止めて、3つの部分をそれぞれ1文ずつ書いてみてください 完璧な文章でなくて大丈夫です 目的に必要な材料が入っているかを意識しましょう 入り口 来週の定例から会議メモの共有方法を一つに揃えたいと思います 中身 今はメモの保存先が人によって異なり 後から決定事項を探しにくい状態です そこで会議メモは共通フォルダに保存し 冒頭に決定事項と担当者を書くようにします 例えば会議で資料の修正を決めたら 誰が何をいつまでにするかをメモの最初に書きます まず来週の定例から試したいので 会議後のメモはこの形で作成してください 使いにくいところがあれば次回振り返りましょう この例が唯一の正解ではありません 聞いた人が何をするか 具体的に分かるかがポイントです 自分の説明も5つのポイントで確認できます 1つ、何のための説明か、一文で言えるか 2つ、必要な情報を選べているか 3つ、入り口、中身、出口がつながっているか 4つ、相手が想像できる具体例があるか 5つ聞き終わった後に相手が何をすれば良いか分かるか 足りないところがあれば最初から全部作り直すのではなく その部分を直してみてください 伝わる説明は話し方の才能だけで決まるものではありません 目的を決め材料を選び分かる順番に組み立て相手に合わせて伝える 次に誰かへ説明するときは話し始める前にこの一連の流れを試してください 次の講座では相手から必要な情報を引き出す質問の考え方を学びます