AIで商談準備をする講座|相手の前提を渡して仮説とトークを下書きし、自分で確定する | マナビズ

AIで商談準備をする講座|相手の前提を渡して仮説とトークを下書きし、自分で確定する

AIで商談準備をする講座|相手の前提を渡して仮説とトークを下書きし、自分で確定する

「準備が大事なのは分かってる。でも、商談ごとに準備する時間なんてない」——営業をしていると、毎日のようにこの板挟みにぶつかります。前日の夜や直前に相手の企業サイトをざっと眺めて、相手の課題を見立てないまま商談に入る。トークは「行けば思い出す」で出たとこ勝負になり、聞き漏れや、相手に刺さらない提案が起きる。この講座は、その「準備が間に合わない」を解消する AI 商談準備の型を、手を動かしながら身につけるためのものです。AIは“それっぽい一般論”を出す相手ではなく、商談で使える下書きを速く出させる道具になります。

最初に、この講座が扱う範囲と扱わない範囲をはっきりさせておきます。本講座は「AIを道具として使い、商談の前に仮説(相手の状況・課題の見立て)とトーク(聞くこと・話すこと)を下書きし、自分で点検して確定する」という準備の一点に絞ります。商談準備そのものの“型”(目的・想定質問・ゴールを準備シートに整理する手順)は商談準備の基本が正本です。商談本番での質問・深掘りの技術はヒアリング力へ、AIやプロンプト(AIへの指示文)の一般的な書き方はプロンプト入門へ、アイデアを広く出す汎用ブレストはAIブレインストーミングへ、それぞれ送客します。これらの深掘りには本講座では踏み込みません。本講座は「型の各欄を、AIで速く・厚く埋め、自分で点検して確定する」役回りに徹します。

この講座を終えると、次の3つができるようになります。AIに何(相手の情報・商談の目的)を渡せば商談準備に使える出力が得られるかを、渡す材料と聞き方の形で説明できること。相手の状況・課題の仮説を、AIの出力を点検・取捨選択して商談で使える形に作成できること。そして、商談で聞くこと・話すこと(トーク)の下書きをAIに作らせ、自分で修正して準備メモにまとめられること。

覚えて帰ってほしい型は、これだけです。材料を渡す → 仮説を立てさせて点検する → トークを下書きさせて準備メモに確定する。 AIで商談準備をするのは、「丸投げして終わり」でも「全部ゼロから手書き」でもありません。下書きするのはAIに任せ、当たり外れを判断して確定するのは自分。この共同作業だと考えてください。

全章を通して追うのは、次の場面です。あなたがこれから会う1社(例)について、相手の前提情報をAIに渡し、想定される課題の仮説・冒頭で聞くべき質問・こちらから伝える要点を下書きさせ、的外れな箇所を自分の言葉で直して、A4一枚の準備メモにまとめて商談に持っていく——この一本の糸を、3章で追いかけます。

この講座のポイント

  • AIに何を渡せば商談準備に使える出力が得られるかを、渡す材料と聞き方の形で説明できる。
  • 相手の状況・課題の仮説を、AIの出力を点検・取捨選択して、商談で使える形に作成できる。
  • 商談で聞くこと・話すこと(トーク)の下書きをAIに作らせ、自分で修正して準備メモにまとめられる。

AI 商談準備はAIに「何を渡し何を聞くか」で決まる

この章のゴール

AIに何を渡せば商談準備に使える出力が得られるかを、渡す材料と聞き方の形で説明できる。

出力が一般論になるのは、材料と聞き方が足りないから

AIに「次の商談、いい感じに準備して」とだけ頼むと、どの会社にも当てはまる総論が返ってきます。これはAIの性能が低いからではありません。AIには、誰に会うのか・何を売るのか・この商談で何をしたいのかが分からないからです。足りない情報を、AIは「それっぽい一般論」で埋めます。その結果が、商談に持ち込めない当たり障りのない出力です。

勘所は、渡す順番にあります。まず材料(相手の前提)、次に聞き方(何を出してほしいか)の順で渡します。材料とは、①相手の前提(業種・規模など分かっていること)、②こちらの商材、③この商談の目的(受注したいのか、次回につなげたいのか)の3つです。聞き方とは、「想定される相手の課題を挙げて」「冒頭で聞くべき質問を出して」のように、出してほしいものを1つに絞って具体的に指定することです。

共通例で材料と聞き方を組み立てる

これから会う1社(例)で考えてみましょう。材料として、相手の業種・規模、こちらの商材、この商談の目的をAIに渡し、続けて「この前提で想定される相手の課題を挙げて」と聞きます。ここで、もし「この業種の会社の課題を教えて」と業種だけで聞くと、教科書的な一般論しか返りません。材料を厚くするほど、出力は目の前の相手に近づきます。手順はシンプルです。①渡す材料を集める、②AIに材料を渡す、③出してほしいもの(仮説/聞くこと/話すこと のどれか)を具体的に指定する、④出力が一般論なら材料を足して聞き直す。

つまずきは2つです。1つは、材料を渡さず質問だけしてしまうこと。もう1つは、「いい感じに準備して」と曖昧に振って総論を受け取ってしまうことです。なお、プロンプトの書き方そのものを体系的に学ぶならプロンプト入門が、準備の“型”そのものは商談準備の基本が土台になります。

この章の確認(演習)

これから会う相手1社を思い浮かべ、AIに渡す材料(相手の前提・こちらの商材・この商談の目的)を、それぞれ1行ずつ、3つ書き出してみましょう。これが次章でAIに渡す材料になります。

相手の課題の仮説をAIで立てて点検する

この章のゴール

相手の状況・課題の仮説を、AIの出力を点検・取捨選択して、商談で使える形に作成できる。

AIの仮説は「たたき台」、当てはめるのは自分

仮説とは、商談の前に立てる「相手はこの辺りに困っているのでは」という当たりのことです。AIは、考えられる課題の候補を幅広く出すのは得意です。けれど、そのうちどれが目の前の相手に本当に当てはまるかは、AIには判断できません。だからAIが出した仮説は“たたき台”であって、当たり外れを自分で選別・修正して確定するところまでが準備です。

ここで必ず知っておきたい注意があります。生成AIには「ハルシネーション」という性質があります。総務省の白書は「生成AIは事実に基づかない誤った情報をもっともらしく生成することがあり、これをハルシネーション(幻覚)と呼ぶ」とし、「技術的な対策が検討されているものの完全に抑制できるものではない」ため、利用者が「出力した答えが正しいかどうかを確認することが望ましい」と述べています(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。AIは相手企業の実績やニュース、導入事例を、事実と違うのにもっともらしく作ってしまうことがあります。AIが出した相手企業の固有の情報や数字は、そのまま信じず、必ず元の情報で確認してください。

共通例で仮説を絞り込む

これから会う1社(例)の材料をAIに渡し、課題の仮説を複数出させます。出てきた候補を、相手の規模やタイミングに照らして「これは当てはまりそう」「これは外れていそう」と1つずつ仕分けし、2〜3個に絞って、自分の言葉で「誰が・何に・なぜ困っているか」と書き直します。手順は、①仮説を複数出させる、②当てはまりそうか吟味する、③外れ・一般論すぎるものを捨てる、④残した仮説を具体化する、の4つです。

つまずきは、AIの出力を全部そのまま信じて仮説扱いすること、逆に「外れてる」と全部捨てて当たりまで捨てること、そして検証対象であるはずの仮説を、商談で「御社はこうですよね」と断定して話してしまうことです。仮説は、商談で合っているか確かめる前提で持ちます。立てた仮説を本番で質問しながら確かめ・深掘りする技術は、ヒアリング力で学べます。

この章の確認(演習)

AIに相手の課題仮説を複数出させ、当てはまりそうな仮説を2つ選び、それぞれ「誰が・何に困っているか」を自分の言葉で1文に書き直してみましょう。

聞くこと・話すこと(トーク)を準備メモにまとめる

この章のゴール

商談で聞くこと・話すこと(トーク)の下書きをAIに作らせ、自分で修正して準備メモにまとめられる。

トークの下書きをAIに作らせ、自分の言葉に直す

仮説が立ったら、それを確かめ、商談を前に進めるためのトークを準備します。トークとは「聞くこと(質問)」と「話すこと(こちらから伝える要点)」の2つです。第2章で確定した仮説をAIに渡し、「冒頭で聞くべき質問」「こちらから伝える要点」を下書きさせます。ただし、出てきたものはそのまま読み上げる台本ではありません。相手や場面に合わない言い回しを自分の言葉に直して、準備メモに仕上げます。

ここで注意が1つあります。AIに材料や仮説を渡すとき、入力する情報の中身に気をつけてください。総務省の白書は、生成AIの利用において「個人情報や機密情報がプロンプトとして入力され、そのAIからの出力等を通じて流出してしまうリスク」を指摘しています(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。顧客の非公開情報や、自社の未公開の取引条件などを、誰でも使えるAIに入れないこと。何を入れてよいかは社内のルールに従ってください。

共通例で準備メモ1枚に統合する

これから会う1社(例)で絞った仮説をAIに渡し、聞くこと・話すことの下書きを出させます。合わない言い回しを直したら、最後に、仮説・聞くこと・話すことを、A4一枚の準備メモに統合します。この1枚が、この講座のゴールの成果物です。手順は、①確定した仮説をAIに渡す、②聞くこと・話すことの下書きを出させる、③自分の言葉・相手の状況に合わせて直す、④1枚の準備メモに統合する、の4つです。

つまずきは、AIが書いた台本を棒読みする前提で作ること、質問だけ・話すことだけと片寄ること、そしてメモが長すぎて商談中に見られないことです。準備メモは、ひと目で要点が拾える長さに収めます。準備した質問を本番で深掘りする聞き方はヒアリング力、準備の“型”の全体像は商談準備の基本へ進むと、一段広い視点で学べます。

この章の確認(演習)

第2章で選んだ仮説1つについて、AIに「聞くこと」と「話すこと」を下書きさせ、自分の言葉に直して、準備メモ(仮説/聞くこと/話すこと)を1枚作ってみましょう。

まとめ

AIで商談準備をするとは、相手の前提という材料を渡し、課題の仮説とトーク(聞くこと・話すこと)をAIに下書きさせ、当たり外れを自分で点検・修正して準備メモに確定することでした。AIは下書き役で、確定するのは自分。AIが出した相手企業の情報や数字はハルシネーションに注意して確認し、機密情報は入力しない——この2つを守れば、AIは商談準備の強い味方になります。

明日の一歩として、次の商談1件で、相手の前提をAIに渡して課題仮説を出させ、当たりを2つ選び、聞くこと・話すことの下書きを準備メモ1枚に仕上げてから臨んでみてください。一度この型を通すと、準備にかかる手間がぐっと軽くなり、相手の課題を見立ててから商談に入れるようになります。準備した仮説を本番で確かめ深掘りするにはヒアリング力、準備の型の全体像は商談準備の基本へ進みましょう。

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よくある質問

AIが出した相手企業の情報や数字は、そのまま信じていいですか

信じないでください。生成AIは事実に基づかない誤りをもっともらしく作ること(ハルシネーション)があり、完全には防げません。相手企業の固有の情報は、元の情報で人が確認します(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。

商談準備でAIに会社の機密情報を入れていいですか

入れないでください。プロンプトに入力した個人情報・機密情報が流出するリスクが指摘されています(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。何を入れてよいかは社内ルールに従ってください。

AIが作った準備メモは、そのまま商談で使っていいですか

たたき台として使います。仮説は商談で確かめる検証対象として持ち、トークは自分の言葉に直してから使ってください。確定するのは自分です。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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