「この施策、費用に対してどれだけ効果あったの?」「A案とB案、どっちを先にやる?」——上司にそう聞かれて、「効果はあったと思います」「なんとなくA案で」としか言えなかった経験はないでしょうか。広告を出す、ツールを入れる、研修をやる。お金をかける施策を任され始めると、こうした問いに必ずぶつかります。
施策の良し悪しを「やった方がよさそう」という感覚で選んでいると、かけたお金に対して効果の薄い施策に、時間とお金を使ってしまいます。けれど、ここで効いてくるのは数字の才能でも専門知識でもありません。かけたお金(投資)と、返ってきた効果の2つを並べて、決まった割り算をしているか。違いはそれだけです。
その割り算が、この講座のテーマである ROI(投資対効果) です。ROIは、かけたお金に対してどれだけ効果が返ってきたかを割合(%)で見る考え方で、効果と投資の2つの数字から決まった計算をするだけ。これができると、複数の施策を「金額の大きさ」ではなく「かけたお金に対する効率」で並べて、根拠を持って優先順位をつけられます。
最初に、この講座が扱う範囲をはっきりさせます。本講座は「施策にかけた費用と返ってきた効果からROIを計算し、複数施策のROIを比べて優先順位をつける」という一点に絞ります。いくら売れば黒字になるか(固定費・変動費から考える損益分岐点)は損益分岐点の考え方、予算と実績の差を見て手を打つ予算差異の管理は予算管理の基本、ROIを含む複数の評価軸で選択肢を多面的に比べて選ぶ意思決定は意思決定の進め方が、それぞれ正本です。これらの各論には本講座では踏み込みません。
この講座を終えると、次の3つができるようになります。ROIが「効果の大きさ」と「かけたお金に対する効率」のどちらを見るものかを区別して説明できること。施策の効果と投資から ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 を実際の数値で計算できること。そして、複数施策のROIを並べて比べ、金額の大きさではなく効率で優先順位をつけられることです。
ひとつ先に約束しておきます。ROIの計算式は、実は媒体によって書き方が揺れます。本講座では ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 の一本だけを使います。なぜこの式にそろえるのかは第2章で説明しますが、まずは「この講座のROIはこの式」と覚えてください。
全章を通して追うのは、次の場面です。ある小さなチームが、2つの施策のどちらを先にやるか選ぶ。施策A=研修(投資30万円・効果45万円)、施策B=広告(投資50万円・効果65万円)。この一本の題材を、ROIとは何か→ROIを計算する→2つのROIを比べて優先順位をつける→ROIの注意点、と順に組み上げていきます(数字はすべて、説明のための架空の例です)。
この講座のポイント
- ROIが「かけたお金(投資)に対して、どれだけ効果(リターン)が返ってきたかを割合で見るもの」だと、「効果の大きさそのもの」と「かけたお金に対する効率」の違いを含めて説明できる。
- 効果と投資から ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 を実際の数値で計算でき、効果(リターン)と投資の定義を取り違えない。
- 複数施策のROIを並べて比べ、金額の大きさではなく「かけたお金に対する効率」で優先順位をつけられる。
- ROIを使うときの注意点(効果の出る期間、数字にしにくい効果、ROIだけで決めない)を説明でき、ROIを「1つの評価軸」として位置づけられる。
ROIとは投資対効果、かけたお金に対する効果の割合のこと
この章のゴール
ROIが「かけたお金(投資)に対して、どれだけ効果(リターン)が返ってきたかを割合で見るもの」だと、「効果の大きさそのもの」と「かけたお金に対する効率」の違いを含めて説明できる。
「効果はあったと思います」で止まってしまう正体
上司に「費用に対してどれだけ効果あったの?」と聞かれて、「効果はあったと思います」としか答えられない。A案とB案のどちらを先にやるか根拠を聞かれると詰まる。この詰まりの正体は、頭が悪いからでも経験が足りないからでもありません。施策を「やった方がよさそう」という感覚で選んでいて、かけたお金と返ってきた効果を並べて見ていないこと、ただそれだけです。
感覚で選び続けると、何が起きるか。たくさんお金をかけた施策ほど効果(金額)も大きく出るので、「金額が大きい施策=一番効果がある施策」だと思い込みやすくなります。すると、かけたお金に対して実は効率の悪い施策に、限られた時間と予算を注ぎ込んでしまう。これを防ぐために、効果と投資を並べて割合で見るのがROIです。
ROIは効果の大きさではなく、投資に対する効率を見る
ROIは「Return On Investment」の略で、日本語では投資対効果と呼ばれます。意味は、かけたお金(投資)に対して、どれだけ効果(リターン)が返ってきたかを割合(%)で見ること。RICOHの中小企業向け解説でも、ROIは「投じた費用に対して、どの程度の利益が出たかを表す指標」で「数値が大きいほど投資対効果も大きい」とされています(出典:RICOH 中小企業応援サイト)。財務教育機関のCFIも、ROIを「投資コストに対して投資家が受け取るベネフィットを計算する財務比率」と定義しています(出典:Corporate Finance Institute)。
ここで一番大事なのは、ROIが見ているのは効果の“大きさそのもの”ではなく、投資に対する“効率”だという点です。「効果が大きい施策」と「かけたお金に対して効果が大きい施策」は、別ものです。たくさんお金をかければ効果の金額が大きく出るのは当たり前で、私たちが本当に知りたいのは「そのお金に見合っているか」。ROIはこの「見合っているか」を割合で表すので、投資額がバラバラの施策同士を、同じものさしで比べられます。
金額の大きさで選ぶと、なぜ判断を誤るのか
ここで共通例を置きます。あるチームが、施策A=研修と施策B=広告のどちらを先にやるか迷っているとします。施策A(研修)は投資30万円・効果45万円、施策B(広告)は投資50万円・効果65万円。効果の金額だけを見ると、B(65万円)のほうがA(45万円)より大きい。だから「Bのほうが良い施策だ」と言いたくなります。
でも、ちょっと待ってください。Bは投資も50万円と大きいのです。投資が大きければ効果が大きく出やすいのは当然で、金額そのものでは公平に比べられません。「かけたお金に対して」で見ると、印象が変わるかもしれない——この章ではまだ計算しません。「効果の金額が大きい=効率が良い、とは限らない」「投資が違う施策は、金額そのものでは公平に比べられない」。この2つを掴んでおけば十分です。実際にどちらが効率的かは、次章で計算して確かめます。
なお、ROIで見るのは投資の“割合”であって、「儲かった金額そのもの」ではありません。また、投資(かけたお金)の中身を、広告費だけにするのか人件費も含めるのか、曖昧なまま施策を比べると数字が噛み合いません。投資の範囲は、比べる施策どうしでそろえておきます。
この章の確認(演習)
共通例の施策A(研修)・施策B(広告)について、それぞれ「投資(かけたお金)」と「効果(返ってきた金額)」を1つずつ書き出してみましょう。次に、効果の金額が大きいのはどちらか、でも「かけたお金に対して」で見ると印象が変わりそうか、を自分の言葉で書いてみてください(計算はまだしません。ROIが“投資に対する効率の割合”だと、金額の大きさと切り分けて言語化するのが狙いです)。
ROIを計算する、(効果−投資)÷投資×100で割合にする
この章のゴール
効果と投資から ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 を実際の数値で計算でき、効果(リターン)と投資の定義を取り違えない。
ROIを数字にする式
ROIを数字にしましょう。式はこれです。
ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100
分子の (効果−投資) は、その施策で増えた利益です。効果として返ってきた金額から、かけたお金を差し引いた、純粋なプラス分のこと。分母の 投資 は、かけたお金そのもの。だからこの式は「かけたお金に対して、何%のプラス(利益)が出たか」を表しています。
なぜこの式に統一するのか、採用式を宣言する
ここで、導入で約束した「式の揺れ」の話をします。ROIの計算式は、実は1つではありません。CFIは「ROIの式にはいくつかのバージョンがあり、最もよく使われるのは ROI=純利益÷投資コスト と、ROI=投資による利益÷投資基盤(gain÷cost)の2つ」と明記しています(出典:Corporate Finance Institute)。U.S. Chamber of Commerceも、標準式 (純利益−投資コスト)÷投資コスト×100 のほかに、(利益−コスト)÷コスト×100 や 利益÷投資基盤 といった代替式を挙げています(出典:U.S. Chamber of Commerce)。
つまり、ROIには 増えた利益(効果−投資)を投資で割る「利益基準」 と、返ってきた額そのものを投資で割る「リターン基準(効果÷投資)」 のような、複数の流派が実在します。同じ施策でも、どの式を使うかで出る数字が変わってしまう。だから大事なのは、式を1つに決めて、最後までそれで通すことです。
本講座では、ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100(利益基準)の一本で統一します。 これはCFIが「最もよく使われる」とした利益基準にそろえたものです。効果÷投資という別の流派があることは知っておいてかまいませんが、この講座での計算はすべてこの採用式で行います。
リターン(効果)と利益(効果−投資)を取り違えない
計算ミスの一番の原因は、リターン(効果)と利益(効果−投資)の取り違えです。ここでの「効果(リターン)」は、施策から返ってきた金額の効果——売上が増えた、コストが減った、といったプラスの総額を指します。一方の「(効果−投資)」は、そこからかけたお金を引いた、増えた利益です。効果をそのまま分子に置いてしまうと、かけたお金を引き忘れて数字を実際より大きく見せてしまいます。「分子は効果そのものではなく、増えた利益(効果−投資)」と覚えてください。
実際に共通例の施策A(研修)で計算します。効果450,000円、投資300,000円。
- 増えた利益=効果−投資=450,000−300,000=150,000円
- ROI=150,000÷300,000×100=50%
「かけた30万円に対して、50%(15万円)のプラスが出た」と読みます。検算してみましょう。ROIが50%なら、増えた利益=投資×0.5=300,000×0.5=150,000円。さらに、効果=投資+増えた利益=300,000+150,000=450,000円。最初の数字とぴったり一致します。1円も1%もズレません。
同じ式で施策B(広告)も計算します。効果650,000円、投資500,000円。増えた利益=650,000−500,000=150,000円、ROI=150,000÷500,000×100=30%。これも検算すると、500,000×0.3=150,000円、500,000+150,000=650,000円で合います。
手順をまとめると、①投資(かけたお金)を置く→②効果(返ってきた金額)を置く→③増えた利益=効果−投資を出す→④ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 を計算する→⑤検算(投資×ROI=増えた利益、投資+増えた利益=効果)で確かめる、の5ステップです。割合(0.5)と百分率(50%)を混同して×100を忘れたり二重にかけたりしないこと、途中で式を別の流派に切り替えないことも、ズレを防ぐコツです。
この章の確認(演習)
まず、共通例の施策B(広告:効果650,000円・投資500,000円)で、増えた利益とROIを採用式で計算し、検算してみましょう(答え:利益150,000円・ROI30%)。次に、自分が関わった施策、または身近な「お金をかけた取り組み」の投資と効果を1組仮に置き、ROIを採用式で1つ計算してみてください。別の数字でも手を動かすと、式が定着します。
複数施策のROIを比べて優先順位をつける
この章のゴール
複数施策のROIを並べて比べ、金額の大きさではなく「かけたお金に対する効率」で優先順位をつけられる。
ROIの一番の使いどころは、同じものさしで比べること
ROIの真価が出るのは、複数の施策を同じものさしで比べるときです。投資額がバラバラの施策でも、ROI(割合)にそろえてしまえば、「かけたお金に対する効率」で公平に並べられます。U.S. Chamberも、投資基盤に対する利益で見るROIは「異なる投資をすばやく比較したいときに使える」としています(出典:U.S. Chamber of Commerce)。
やり方はシンプルです。比べたい施策のROIをそれぞれ計算して、ROIの高い順に並べるだけ。「予算が限られていて全部はできない」「どれから手をつけるか」というとき、ROIが高い施策=かけたお金に対して効果が大きい施策から優先するのが基本です。
利益額が同じでも、投資が小さいほうがROIは高い
ここで、感覚判断との一番大きな違いが出ます。共通例の施策A(研修)と施策B(広告)を並べてみましょう。
- 施策A(研修):(450,000−300,000)÷300,000×100=ROI50%(増えた利益150,000円)
- 施策B(広告):(650,000−500,000)÷500,000×100=ROI30%(増えた利益150,000円)
注目してほしいのは、増えた利益はAもBも150,000円で同額だという点です。利益の金額だけ見ると、AとBは同じくらい良い施策に見えます。ところがROIは、A(50%)がB(30%)を上回ります。理由は投資の差です。Aは投資30万円、Bは投資50万円。同じ150,000円の利益を、より小さい投資で出したAのほうが効率が良いのです。
だからこのチームは、「まずA案(ROI50%)から、次にB案(ROI30%)」と優先順位をつけられます。もし「効果の金額が大きいB(65万円)が一番良い」と金額で選んでいたら、効率の良いAを後回しにして判断を誤っていたところです。第1章で掴んだ「効果の金額が大きい=効率が良いとは限らない」が、ここで数字になって効いてきます。
手順は、①比べたい施策をそろえ、それぞれの投資と効果を出す→②各施策のROIを採用式で計算する→③ROIの高い順に並べる→④「金額の大きさ」ではなく「ROI(効率)」で優先順位を説明できるか確認する、です。注意点として、投資額がバラバラの施策を金額のまま比べないこと、利益額が同じでも投資が違えばROIは違うこと、を押さえておきましょう。
この章の確認(演習)
共通例の施策A・BのROIを並べ、「利益額は同じなのにROIが違う理由」と「どちらを先にやるか」を自分の言葉で書いてみましょう。次に、自分の周りの2つの施策(例:広告とツール導入)の投資・効果を仮に置き、ROIを2つ計算して高い順に並べ、優先順位を1つ示してみてください。後で配るROI計算テンプレートを使えば、投資欄・効果欄から増えた利益とROIまで一気に埋められます。
ROIの注意点、短期長期と数字に出ない効果に気をつける
この章のゴール
ROIを使うときの注意点(効果の出る期間、数字にしにくい効果、ROIだけで決めない)を説明でき、ROIを「1つの評価軸」として位置づけられる。
短期と長期、いつ時点の効果で測るかをそろえる
ROIは強力ですが、万能ではありません。注意点を3つ押さえておきましょう。
1つめは、効果を測る時点です。効果がすぐ出る施策(広告)と、後からじわじわ効く施策(研修・人材育成)を、同じ時点で測ると不公平になります。CFIは「ROIの式は時間という要素を無視する。同じROI50%でも、3年で達成したものと5年で達成したものでは意味が違う」と指摘しています(出典:Corporate Finance Institute)。RICOHも「成果が表れるまで数か月単位を要する施策では、ROIの数値は低く出るため、長期的な評価には適していない」と述べています(出典:RICOH 中小企業応援サイト)。共通例の施策A(研修・ROI50%)も、効果が出るまで数か月かかるなら、測る時点が早すぎるとROIが低く見えてしまいます。いつ時点の効果で測るのかを、比べる施策どうしでそろえてください。
数字にしにくい効果は、ROIには入りきらない
2つめは、金額にしにくい効果です。満足度、信頼、社員の成長といった効果は、分子(効果)に金額として入りづらく、ROIには反映されません。RICOHは「顧客の満足度やブランドイメージなどは直接的な収益として計測できず、ROIのデータでは表れない」としています(出典:RICOH 中小企業応援サイト)。U.S. Chamberも「ROIが低くても価値のある取り組みはあり、無形の便益も含めた費用対効果の分析が望ましい」と述べています(出典:U.S. Chamber of Commerce)。共通例の研修には「社員のスキルが上がる」という効果もありますが、それはROIの45万円には入りきりません。ROIが低い=価値がない、ではないのです。
ちなみに、ROIと名前の似たROAS(広告の費用対効果)は、利益ではなく“売上”を投資で割る別の指標です(出典:RICOH 中小企業応援サイト)。本講座のROIはあくまで利益(効果−投資)で測るもの、と区別しておけば十分です。
ROIは1つの評価軸、ROIだけで決めない
3つめは、ROIだけで決めないことです。ROIは「かけたお金に対する効率」という1つの評価軸にすぎません。たとえば、投資1万円・効果1.5万円ならROIは50%(増えた利益5,000円)と高い数字ですが、額が小さすぎてチームの目標には届かない、ということもあります。規模、リスク、戦略との相性などは、ROIとは別の軸です。
だからROIは「重要な判断材料の1つ」として使い、最終判断は複数の軸で行います。ROIを含む複数の評価軸で選択肢を多面的に比べて選ぶ進め方そのものは、意思決定の進め方で深められます。ROIはその評価軸の1つ、という位置づけです。なお、いくら売れば黒字になるかを考える損益分岐点、予算と実績の差異を管理する予算管理は、ROIとは役割の違う別のテーマです。本講座は、施策単体のROIの計算と、複数施策のROI比較による優先順位づけに絞ります。
手順としては、①ROIを計算したら「いつ時点の効果で測ったか(短期/長期)」を確認する→②「金額にしにくい効果が抜けていないか」を確認する→③ROIを1つの評価軸と捉え、規模・リスク・戦略など他の軸も並べる→④最終判断はROIだけでなく複数の軸で行う、と進めます。
この章の確認(演習)
共通例の施策A(研修)について、「ROIに入りきらない、金額にしにくい効果」を1つと、「短期/長期で測る時点をそろえる注意」を1つ書いてみましょう。次に、自分の関わる施策で「ROIだけでは測れない要素(期間・規模・数字に出ない効果)」を1つ挙げ、ROIを1つの評価軸として、ほかにどんな軸で見るかを書いてみてください。
まとめ
施策は「やった方がよさそう」という感覚ではなく、かけた費用に対する効果(ROI)で比べて選ぶ。この講座で身につけたのは、その一本の型でした。
順番にたどると、こうなります。①ROIとは何か(効果の金額そのものではなく、投資に対する効率)を押さえる→②ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 で計算する(採用式を統一する)→③複数施策のROIを高い順に並べて優先順位をつける(金額ではなく効率で)→④注意点(短期/長期・数字に出ない効果・ROIだけで決めない=1つの評価軸)を踏まえる。共通例では、利益額がどちらも15万円で同じでも、投資の小さい研修(ROI50%)が広告(ROI30%)より効率が良い、という判断ができました。覚えて帰ってほしいひと言は、「かけたお金に見合ったか。それを割合で見るのがROI=(効果−投資)÷投資」 です。
明日の一歩として、自分が関わった(または検討中の)施策を1つ選び、投資(かけたお金)と効果(返ってきた金額)を置いて、ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 を1回計算してみてください。できれば2つの施策で計算して高い順に並べ、「こちらを先にやります」と優先順位を言ってみる。それだけで、「効果はあったと思います」が「ROIは何%でした」に変わります。
さらに深めたい方へ。ROIを1つの評価軸として複数の選択肢を多面的に比べて選ぶなら意思決定の進め方、予算と実績の差異を見て手を打つなら予算管理の基本、いくら売れば黒字かを知りたいなら損益分岐点の考え方へ進んでください。
ROI計算テンプレートを無料会員特典でお配りしています。施策名・投資・効果を入れると、増えた利益とROI、検算、複数施策をROIの高い順に並べる比較欄まで埋まります。次に迷う施策から、そのまま使ってみてください。
よくある質問
ROIとはそもそも何ですか
かけたお金(投資)に対して、どれだけ効果(利益)が返ってきたかを割合(%)で見る指標です。効果の金額そのものではなく、投資に対する効率を測ります。
ROIの計算式はどう書きますか
本講座では ROI(%)=(効果−投資)÷投資×100 で統一します。式には複数の流派があるため、1つに決めて最後までそろえて使うことが大切です。
効果の金額が一番大きい施策を選べばいいのではないですか
いいえ。投資が大きければ効果も大きく出やすいため、金額だけでは公平に比べられません。投資額の違う施策はROI(効率)にそろえて、高い順に優先します。
ROIが高ければ、その施策に決めてよいですか
ROIは1つの評価軸にすぎません。効果を測る時点(短期/長期)、数字にしにくい効果、施策の規模なども見て、複数の軸で最終判断します。