AI活用の基礎 | マナビズ

AI活用の基礎

AI活用の基礎

「この案内メール、AIでサッと作っといて」——配属されて間もないある日、上司にそう頼まれたあなたは、ChatGPT のようなチャット型のAIに「来週の社内勉強会の案内メールを書いて」と打ち込みました。すると、ものの数秒で、それっぽい案内文が画面に出てきます。やった、これは便利だ。そう思って、出てきた文章をそのままコピーして提出したら——上司に、こう言われてしまいました。「この講師、誰?こんな人、うちにいないよ」「日時も違うけど、どこから持ってきたの?」。AIが、ありもしない講師名や日時を、いかにも本当のことのように書いていたのです。

逆のパターンもあります。「AIは平気で間違えるから信用できない」と決めつけて、案内メールを一文字目から全部手作業で書き、30分かけてしまう。これはこれで、もったいない使い方です。

この2つの失敗は、同じ原因から起きています。生成AIが「どんなアシスタントなのか」を、まだ掴めていないのです。生成AIは、「なんでも知っていて、正しく答えてくれる魔法の答えマシン」ではありません。正体は、「猛烈に速いけれど、ときどき自信満々で間違える、新人のアシスタント」です。できる人とできない人の違いは、センスや知識量ではありません。AIに丸投げして鵜呑みにするか、それとも、得意と苦手を見極めて、任せるところと自分で確かめるところを切り分けるか——その一点だけです。

この講座を読み終えたあなたは、次の3つができるようになります。

  1. 生成AIを「なんでも正しく答える機械」ではなく、“速いが、ときどき自信満々で間違える新人アシスタント”として、その仕組み(次に来そうな言葉を予測しているだけ)ごと、自分の言葉で説明できる
  2. あるタスクについて、生成AIの得意なこと(たたき台づくり・要約・言い換え・アイデア出し)と、苦手なこと(最新情報・正確な事実や数字・機密や個人情報・責任を取ること)を、区別して挙げられる
  3. 間違いに自分で気づけるか/取り返しがつくか」を判断軸に、目の前の仕事のどこをAIに任せ、どこを自分で確認するかを切り分け、①見極める→②具体的に頼む→③確かめるの3ステップで使い方を説明できる

この講座は最後まで、「上司に頼まれた“社内勉強会の案内メール”を、AIに手伝ってもらう」という、たった1つの場面だけで説明します。この同じ仕事を、AIの正体は何か→何が得意か→何が苦手か→どう使い分けるか、と1つずつ掘っていきます。各章末には手を動かす演習も置いているので、書きながら読み進めてみてください。そして、この使い方を自分の仕事でもっと深めたくなったら、無料会員登録で続きの講座(プロンプトの書き方・業務別のAI活用・社内で安全に使うルール)に進めます。まずは、この1本でAIとの付き合い方の土台を作りましょう。

この講座のポイント

  • 生成AIを「なんでも正しく答える機械」ではなく、“速いが、ときどき自信満々で間違える新人アシスタント”として、その仕組みを自分の言葉で説明できる
  • あるタスクについて、生成AIの得意なこと(たたき台づくり・要約・言い換え・アイデア出し)を、自分で挙げられる
  • 生成AIの苦手なこと(最新情報・正確な事実や数字・機密や個人情報・責任を取ること)を、自分で挙げられる
  • 「間違いに自分で気づけるか/取り返しがつくか」を判断軸に、どこをAIに任せ・どこを自分で確認するかを切り分け、①見極める→②具体的に頼む→③確かめるの3ステップで、使い方を説明できる

生成AIってどんなアシスタント?

まずは、「AIで作っといて」で詰まってしまうモヤモヤの正体を、はっきりさせましょう。生成AIを、ふわっとした「魔法の機械」のイメージから、その正体が分かっている「速い新人」に捉え直す、土台の章です。

この章のゴール

この章を読み終えると、生成AIを「なんでも正しく答える機械」ではなく、“速いが、ときどき自信満々で間違える新人アシスタント”として、その仕組みを自分の言葉で説明できるようになります。

「AIで作っといて」で詰まる正体

冒頭の2つの失敗——捏造をコピペして怒られる人と、怖くて全部手作業する人——は、どちらも、生成AIを「なんでも知っていて、正しく答えてくれる機械」だと思い込んでいる点で共通しています。だから、出てきた文章を確かめずにコピペしてしまう。あるいは、「正しいはずなのに間違えるなんて信用できない」と、ゼロか百かで突き放してしまう。どちらも、AIの正体を取り違えたまま付き合おうとして、空回りしているのです。

ここで、この講座の背骨を最初に渡しておきます。生成AIは、“答え”をくれる魔法の機械ではなく、“たたき台”をくれる速い新人。得意なことは任せ、苦手なことは自分が確かめる。そして、最後に確かめるのは、いつも自分。この一文さえ握っておけば、これから出てくる話は、すべてここに戻ってきます。

生成AIの正体は「次に来そうな言葉」を予測しているだけ

では、その「速い新人」の頭の中は、どうなっているのでしょうか。

そもそも生成AIとは、総務省の資料の言葉を借りれば「学習したデータをもとに、文章や画像などを新しく作り出すAI」のことです。この講座では、その中でも、ChatGPT のように文章でやりとりするチャット型のAIに絞って話します。ちなみに ChatGPT は、OpenAI という会社が2022年11月に公開した対話型の生成AIで、これをきっかけに生成AIは一気に広まりました。

大事なのは、その中身です。チャット型AIの頭脳にあたる仕組みは「大規模言語モデル」と呼ばれますが、名前は覚えなくてかまいません。やっていることをひとことで言うと、これまで読んできた大量の文章をもとに、「次に来そうな言葉」を確率で予測して、つなげているだけです。

つまり生成AIは、検索エンジンのように「どこかにある正しい答えを探してくる」のではありません。「この文の続きには、こういう言葉が来そうだ」という、いちばんもっともらしい続きを、すごい速さで作っているのです。だから、文章は流暢で、回答も一瞬で出てきます。でも、それは「正しいことを知っているから」ではなく、「もっともらしい続きを作るのが上手いから」なのです。

だから「自信満々で間違える」=ハルシネーション

「もっともらしい続きを作っているだけ」だとすると、困ったことが起きます。AIは、本当は知らないことでも、“それっぽい言葉”で埋めてしまうのです。

この、AIがもっともらしい誤情報を、いかにも本当のことのように書いてしまう現象には、名前がついています。ハルシネーションです。もとは英語で「幻覚」という意味で、AIがまるで幻を見ているかのように、事実とは違うことを堂々と書くことから、こう呼ばれています。この現象は、総務省の情報通信白書でも、生成AIの課題として取り上げられています。

冒頭の「講師は営業部の田中部長です」という一文も、まさにこれです。AIは、あなたの会社の勉強会の本当の講師が誰かなんて、知りません。でも、「案内メールには講師名が入るものだ」という“続き”のパターンは知っているので、もっともらしい名前をスッと埋めてしまったのです。AIは、だまそうとして嘘をついたわけではありません。「もっともらしい続きを作る」という仕組みのままに動いた結果、知らないことまで“それっぽく”埋めた——それだけなのです。

ここから導かれる、この講座でいちばん大事な土台はこれです。文章が流暢で、口調が自信ありげでも、それは「正しい」という意味ではない。だから、AIが出してきたものは、まず「本当かな?」と疑ってかかる。特に、事実・数字・固有名詞は要注意です。

この章の確認(演習)

冒頭の案内メールを、AIに作らせたと想像してみてください。AIが出してきた案内文の中から、「これはAIが本当は知らないはずなのに、書いてある(=捏造かもしれない)」項目を3つ挙げてみましょう。たとえば、講師名・日時・参加人数などが候補になります。

そして、それぞれについて、「なぜ捏造かもしれないのか」を、「AIは“続き”を作っているだけだから」という言葉を使って、1行で書いてみてください。流暢さは正しさではない——この感覚を、自分の手で言葉にできたら、この章はゴールです。

生成AIが得意なこと

AIの正体が「速いが時々間違える新人」だと分かったところで、次は、その新人に何を任せると上手に働いてくれるのか——得意なことを見ていきます。

この章のゴール

この章を読み終えると、あるタスクについて、生成AIの得意なこと(たたき台づくり・要約・言い換え・アイデア出し)を、自分で挙げられるようになります。

得意は大きく4つ

生成AIが得意なことは、たくさんあるように見えて、実は大きく4つに整理できます。

得意なことどういう作業か案内メールでの例
たたき台づくり何もないところから下書きを一瞬で作る案内メールの文面を、まず1つ出してもらう
要約・整理長い文章を短くまとめる、情報を整理する長い議事録を3行に要約する
言い換え・変換同じ内容を、別の言い方・トーン・形式にするかたい文を、もう少し柔らかい言い回しに直す
アイデア出し案をたくさん並べる件名の案を10個出してもらう

どれも、第1章で見た「速い新人」が、まさに得意とするタイプの仕事です。新人に「とりあえず下書きを作っておいて」「これ、3行にまとめておいて」と頼む——そんなイメージで任せると、一気に速くなります。

得意の共通点は「正解が1つでない・量とスピードが効く・自分で気づける」

この4つには、共通点があります。それは、①正解が1つにきっちり決まらない ②量とスピードを出すことが役に立つ ③もし間違っていても、自分で気づいて直せる、という3つの性質です。

たとえば、案内メールの文面に「これが唯一の正解」はありません。だから、AIにたたき台を作らせて、自分が手直しすればいい。件名も、1つに決まる正解はないので、10個出させて、いちばんいいものを選べばいい。そして、文面や件名がちょっと変でも、読めばあなた自身がすぐ気づいて直せます。

ここがポイントです。AIに任せていいのは、こういう「間違っても、自分で気づいて直せる」領域。自分で正しさを判断できる仕事なら、どんどん任せて速くしていい、ということです。

使い方のコツは「最終形を一発で求めない」

得意なことを活かすコツが、ひとつあります。それは、AIに「完璧な最終形」を一発で出させようとしないことです。

AIが出してくるのは、あくまで“たたき台”です。新人が作った下書きを、あなたが手直しして仕上げる——その「たたき台+自分の手直し」をワンセットだと思って受け取ると、AIはとても役に立ちます。逆に、「一発で完成品が出ないと使えない」と切り捨てると、いちばんおいしい「速さ」の恩恵を、まるごと捨てることになります。案内メールでいえば、たたき台を「8割の下書き」として受け取り、残りの2割(トーンの微調整や、後で出てくる事実の記入)を自分が仕上げる。この役割分担ができると、ぐっと速く、ぐっとラクになります。

この章の確認(演習)

あなたの最近の業務を思い出して、AIに「たたき台・要約・言い換え・アイデア出し」のどれかを頼めそうな作業を1つ、書き出してみてください。

そして、それをAIにどう頼むかを、1文で書いてみましょう。たとえば「先週の議事録を、3行の要約にして」「このお礼メールを、もう少し丁寧な言い回しにして」といった具合です。自分の仕事を、AIの得意の型に当てはめられたら、この章はゴールです。

生成AIが苦手なこと

得意の裏返しが、苦手です。次は、この新人に任せてはいけないことをはっきりさせます。ここを外すと、冒頭の「田中部長」のような失敗が起きます。

この章のゴール

この章を読み終えると、生成AIの苦手なこと(最新情報・正確な事実や数字・機密や個人情報・責任を取ること)を、自分で挙げられるようになります。

苦手その1:最新情報を知らない

生成AIは、学習した時点までの情報しか持っていません。これを「知識のカットオフ」と呼びます。AIが知識を仕入れた“締め切り日”のようなもの、と考えてください。その締め切りより後に起きたことを、AIは知らないのです。

しかも、この締め切り日は、サービスが公開された日とは一致しません。学習には時間がかかるので、たいてい、もっと前で締め切られています。だから「今日のニュースは?」と聞いても正しく答えられないことがあり、古い情報を今のことのように堂々と答えてしまうこともあります。

そして案内メールにとってもっと大事なのは、あなたの会社の社内事情は、そもそもAIの学習データに入っていないということです。来週の勉強会の日時も、講師が誰かも、AIは知りようがありません。だから、最新のことや社内のことをAIに聞いて、その答えを鵜呑みにしてはいけないのです。

苦手その2:正確な事実・数字・固有名詞

第1章で見た「ハルシネーション」を、ここでもう一度思い出してください。AIは、知らないことも“もっともらしく”埋めてしまう仕組みでした。これが、いちばん危ないのが、正確さが命の、事実・数字・固有名詞です。

AIは、人名や日付を本物そっくりにでっち上げますし、統計の数字や出典まで、実在しないのに、いかにもありそうな形で書いてくることがあります。冒頭の「営業部の田中部長」も、まさにこれでした。だから、AIが出してきた事実・数字・固有名詞は、そのまま信じてコピペせず、人間が、正しい情報で1つずつ確かめる必要があります。総務省の資料でも、生成AIの出力は鵜呑みにせず、事実確認(ファクトチェック)をすることが大切だ、とされています。

苦手その3・4:機密情報は入れない、責任は取れない

残りの2つの苦手は、AIの「能力」ではなく、「使う側のルール」の話です。

3つめは、機密情報や個人情報を、AIに入力してはいけないということです。機密情報とは、外に出てはいけない社内や取引先の情報——たとえば、まだ公表していない人事の情報、顧客リスト、取引先の名前などです。なぜ入れてはいけないかというと、あなたが打ち込んだ内容が、使うサービスや設定によっては、外部に渡ったり、AIの学習に使われたりする恐れがあるからです。これは個人の感覚の問題ではなく、個人情報保護委員会やIPA(情報処理推進機構)といった公的機関も、はっきり注意を呼びかけている点です。会社にAIの利用ルールがあるなら、必ずそれに従ってください。

4つめは、AIは、責任を取れないということです。「この文面で取引先に送って大丈夫か」「この内容で世に出して問題ないか」——その最終判断と、結果の責任は、いつも人間(あなたと、上司)にあります。AIは「これで合っています」と保証してくれる存在ではありません。だから、「AIがそう言ったから」は、言い訳にはならないのです。

この章の確認(演習)

冒頭の案内メールについて、「AIに任せてはいけない(自分で確認・記入する)情報」を3つ挙げてみてください。

そして、それぞれが、この章で見た苦手のどれに当たるかを、一言で書いてみましょう。たとえば、「勉強会の日時→最新の社内情報だからAIは知らない」「講師名→捏造のリスクがある」「取引先の名前→機密だから入れない」といった具合です。苦手を、自分の仕事の具体的な情報に当てはめられたら、この章はゴールです。

使い所の判断と使い方の3ステップ

AIの得意(第2章)と苦手(第3章)が出そろいました。最後の章では、それを目の前の仕事の中で切り分け、実際に使う「型」に落とし込み、冒頭で詰まった「AIで作っといて」に決着をつけます。

この章のゴール

この章を読み終えると、「間違いに自分で気づけるか/取り返しがつくか」を判断軸に、どこをAIに任せ・どこを自分で確認するかを切り分け、①見極める→②具体的に頼む→③確かめるの3ステップで、使い方を説明できるようになります。

判断軸は「気づけるか/取り返しがつくか」

得意と苦手を、実際の仕事の中で切り分けるとき、便利な“ものさし”が2つあります。

判断軸問い任せやすいのは
気づけるか間違っていたら、自分で気づいて直せるか自分が正しさを判断できる仕事
取り返しがつくか間違えたとき、ダメージは大きいか小さいかやり直しがきく、影響の小さい仕事

1つめは、第2章でも出てきた「間違いに自分で気づけるか」。自分がその内容の正しさを判断できる領域なら、安心して任せられます。2つめは、「間違っても取り返しがつくか」。社外に出る文書、お金や人が関わる判断など、失敗したときのダメージが大きいものは、より慎重に確認します。

つまり、安心して任せていいのは、「得意なこと × 自分で気づける × 取り返しがつく」が揃った仕事、というわけです。

使い方の型は「見極める→頼む→確かめる」

この判断を、毎回の作業に落とし込んだのが、次の3ステップです。これが、この講座で覚えて帰ってほしい「型」です。

ステップやること
① 見極める任せられる仕事か判断する(得意か・自分で確認できるか・取り返しがつくか)
② 具体的に頼む役割・前提・形式を渡す(これが「プロンプト」。「いい感じに」では伝わらない)
③ 確かめる事実・数字・固有名詞を裏取りする。機密は入れない。最終責任は自分

②に出てくる「プロンプト」とは、難しいものではありません。AIへの「頼み方・指示文」のことです。「あなたは○○の役割で」「○○という前提で」「○○の形式で出して」と、役割・前提・形式を書いて渡す——それがプロンプトです。新人に仕事を頼むときも、「いい感じにやっといて」では伝わらず、「誰向けに・何のために・どんな形で」を伝えますよね。それと同じです。

この3ステップは、第1章で見た2つの失敗の、どちらでもない「第3の道」です。丸投げして鵜呑みにする(①と③が抜けている)でも、怖くて全部手作業する(②を使わない)でもない、得意は任せ、苦手は自分が確かめる、という使い分けの道です。

共通例:案内メールを3ステップに乗せる

では、冒頭からの宿題だった「社内勉強会の案内メール」を、3ステップに丸ごと乗せてみましょう。

① 見極める。 文面のトーン・構成・件名案は、AIに任せてOKです(間違っても自分で気づけるし、社内向けなので取り返しもつきます)。一方、日時・場所・講師名は、AIは知らないので自分で(第3章の苦手)。未公開の社内情報は、そもそも入れません(機密)。

② 具体的に頼む。 たとえば、こう頼みます。「あなたは、丁寧な社内向け案内文のライターです。来週の社内勉強会の案内メールのたたき台を、件名案を3つ付けて作ってください。日時と講師名は、私が後で入れるので、[ここに記入]と空欄にしておいてください」。役割(丁寧な案内文のライター)・前提(来週の社内勉強会)・形式(件名案3つ付き、事実は空欄)を、具体的に渡しているのが分かりますか。

③ 確かめる。 出てきた文面の[ここに記入]の空欄に、正しい日時と講師名を自分で記入します。そして、全文を最後まで自分で読んで、おかしな事実が紛れていないかを確認してから、送ります。

これで、冒頭の失敗は起きません。「田中部長」のような捏造は、事実を空欄にさせているので入り込まず、最後の確認で取りこぼしも防げます。そして、文面づくりという得意な部分はAIに任せたので、全部手作業よりずっと速い。丸投げでも不使用でもない、ちょうどいい使い方です。

この章の確認(演習)

あなたの業務を1つ選んで、3ステップに乗せてみましょう。

  1. 見極める:その仕事の中で、「AIに任せる部分」と「自分でやる部分」を線引きしてください。
  2. 頼む:AIへの頼み方を、1〜2文で書いてください(役割+前提+形式を入れる)。
  3. 確かめる:最後に自分が確認する項目を、挙げてください。

3ステップ(見極める→頼む→確かめる)に沿って、自分の仕事を書き出せたら、この章はゴールです。

まとめ:AIは“答え”でなく“たたき台”をくれる速い新人

おつかれさまでした。「上司に頼まれた社内勉強会の案内メール」という、たった1つの場面を、AIの正体は何か→何が得意か→何が苦手か→どう使い分けるか、と1つずつ掘ってきました。ここで、全体を振り返ります。

  1. AIの正体……生成AIは、「次に来そうな言葉」を確率で予測して、もっともらしい続きを作っているだけ。だから、知らないことも“それっぽく”埋めてしまう(ハルシネーション)。流暢さや自信ありげな口調は、正しさではありません(第1章)。
  2. 得意なこと……たたき台づくり・要約・言い換え・アイデア出し。共通点は「正解が1つでない・量とスピードが効く・間違っても自分で気づける」。ここは任せて、速くする(第2章)。
  3. 苦手なこと……最新情報(知識のカットオフ)・正確な事実や数字(ハルシネーション)・機密や個人情報(入れない)・責任(人が負う)。ここは自分が担う(第3章)。
  4. 使い分け……判断軸は「間違いに気づけるか/取り返しがつくか」。型は、①見極める→②具体的に頼む(プロンプト)→③確かめる。丸投げでも不使用でもない、第3の道(第4章)。

この4つは、すべて1つの合言葉に戻ってきます。生成AIは、“答え”をくれる魔法の機械ではなく、“たたき台”をくれる速い新人。得意は任せ、苦手は自分が確かめる。そして、最後に確かめるのは、いつも自分。これが身につくと、「AIで作っといて」と言われたとき、得意な部分はAIに10秒で作らせ、事実は自分で確かめて埋める——「丸投げ」でも「使わない」でもない、ちょうどいい仕事ができるようになります。

明日の最初の一歩:今日の自分の業務を1つ選び、得意なところ(たたき台・要約・言い換え・アイデア出しのどれか)を、AIに3ステップで頼んでみてください。完璧でなくてかまいません。「AIに丸投げ」でも「AIを使わない」でもなく、得意は任せて、苦手は自分が確かめる——この一回ができたら、それが第一歩です。

そして、この使い方を、もっと具体的に身につけたくなったら、その先の道も用意されています。AIを意図どおりに動かす「プロンプトの書き方」、議事録・資料作成・メールなど「業務別のAI活用」、機密・個人情報・著作権を守る「社内で安全に使うルール」——これらは、今日つかんだ「得意・苦手で切り分け、3ステップで使う」という土台の上に、1つずつ積み上げていくものです。続きは、無料会員登録で次の講座に進めます。まずは、この「速い新人を、上手に使いこなす」感覚を、自分の仕事で一度ためしてみてください。それが、すべての出発点になります。

よくある質問

生成AIとは何ですか?

生成AIとは、学習したデータをもとに文章や画像などを新しく作り出すAIのことです。チャット型の生成AIは「次に来そうな言葉」を確率で予測してつなぐ仕組みで動いており、検索エンジンのように「正しい答えを探してくる」わけではありません。

ハルシネーションとは何ですか?

ハルシネーションとは、生成AIがもっともらしい誤情報をいかにも本当のことのように書いてしまう現象です。AIは知らないことも「続きとして自然な言葉」で埋めてしまうため、実在しない人名・日付・数字を自信満々に出すことがあります。文章が流暢でも正しいとは限らない点に注意が必要です。

AIが得意なことと苦手なことをどう見分けますか?

「間違っても自分で気づいて直せるか」「取り返しがつくか」の2軸で判断します。たたき台づくり・要約・言い換え・アイデア出しは得意で任せやすい領域です。一方、最新の社内情報・正確な数字・固有名詞・機密情報は苦手なため、自分が確認・記入する必要があります。

初めてAIを使う場合でも実践できますか?

はい。この講座で紹介する「①見極める→②具体的に頼む→③確かめる」の3ステップは、AIを初めて使う方でもすぐに試せる実践的な型です。まず身近な業務でたたき台を作らせ、事実は自分で確認して埋めるところから始めると、AI活用の感覚をつかめます。

社内での生成AIの利用ルールはどう確認すればよいですか?

会社がAI利用ルールを定めている場合は、必ずそれに従ってください。特に、機密情報や個人情報をAIに入力することは、情報漏えいのリスクがあります。ルールが不明な場合は、まず上司や情報システム部門に確認することをお勧めします。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

上部へスクロール