Q.
間接法で営業CFを計算する際、税引前利益に対する減価償却費の扱いとして、最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はAです。間接法では、税引前利益を出発点に営業CFを計算します。減価償却費は費用として利益を減らしていますが、実際には現金が出ていかない非現金費用です。そのため、現金の動きに合わせるには利益に足し戻す(プラス調整する)必要があります。「費用だが現金は出ていない」分を戻すのがポイントです。
ポイント
間接法の調整の基本は「現金が動いていないのに利益を増減させた項目を元に戻す」ことです。減価償却費は現金を伴わずに利益を減らしているので、足し戻してプラス調整します。非現金費用は足し戻す、という原則を覚えておきましょう。
ワンポイントアドバイス
営業CFが利益より大きい会社を見たら、まず減価償却費の大きさを確認してみましょう。設備投資の多い装置産業では、足し戻す減価償却費が大きく、営業CFが利益を上回ることがよくあります。利益とCFの差の説明に、まず減価償却費を当てはめる癖をつけてみてください。
解説詳細
なぜAが正解か
間接法は、税引前利益(または当期純利益)を起点に、現金の動きと利益のズレを調整して営業CFを求める方法です。減価償却費は、過去に支出した設備投資の費用を期間配分したもので、その期に新たな現金支出を伴いません。にもかかわらず費用として利益を減らしているため、現金ベースに戻すには利益に足し戻す(プラス調整する)必要があります。Aはこの処理を正しく述べています。
なぜ他の選択肢が誤りか
Bは「現金支出を伴う費用」としていますが、減価償却費は現金支出を伴わないため前提が誤りです。Cの「一切考慮しない」は、利益を減らしている項目を放置することになり、営業CFが過小になります。Dの投資CFでのマイナス計上は、設備を取得した時点の支出の話であり、減価償却費そのものを投資CFに計上するわけではありません。いずれも非現金費用の足し戻しという間接法の基本を外しています。