個人事業主と法人(株式会社など)を比べたときの、最も基本的な違いとして適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は A です。法人は「法人格」という法律上の人格を持ち、会社自身が契約や財産の権利義務の主体になります。これに対し個人事業主には独立した法人格がなく、事業上の権利義務はあくまで事業主個人に帰属します。この「事業の主体が会社か個人か」という違いが、責任・税金・対外的な信用などさまざまな差につながります。まずは法人格の有無が出発点であると押さえましょう。
ポイント
この設問の核心は「法人格」という言葉の意味です。法人格とは、人間以外の組織に対して法律が認める権利義務の主体としての地位を指します。個人事業は事業主という生身の人がそのまま主体ですが、法人は会社という別人格が主体になります。ここを混同すると、後に出てくる有限責任や課税の主体の話がすべて曖昧になりますので、まず主体は誰かを意識してください。
ワンポイントアドバイス
自分の起業プランで「契約書の名義は誰になるのか」を具体的に考えてみましょう。個人事業なら自分の氏名、法人なら会社名と代表者名になります。この名義の違いをイメージすると、法人格という抽象的な言葉が一気に身近になります。取引先や銀行とのやり取りを思い浮かべながら、主体が個人か会社かを言い分けられるよう練習してみてください。
解説詳細
法人格とは何か
正解はAです。法人とは、法律によって人と同じように権利を持ち義務を負うことが認められた組織で、この資格を法人格と呼びます。株式会社や合同会社は設立の登記を経て法人格を取得し、会社自身の名義で契約を結び、財産を所有し、訴訟の当事者にもなれます。一方、個人事業主は開業届を出して事業を営みますが、独立した法人格はなく、事業の権利義務はすべて事業主個人に帰属します。つまり主体が「会社」か「個人」かという点が最も基本的な違いです。
他の選択肢が誤りである理由
Bは個人事業主にも独立した法人格があるとしていますが、個人事業には法人格がないため誤りです。Cは法人だけが税務署への届出を要するかのような内容ですが、個人事業主も開業の届出を行い、法人も設立後に届出を行うため、届出の要否で両者を分ける説明は不正確で誤りです。Dは契約主体としてまったく同じ扱いとしていますが、法人は会社名義、個人事業は事業主個人名義で契約するという違いがあるため誤りです。