既に発行されている固定利付債券(あらかじめ利息額が決まっている債券)について、市場の金利が上がると、その債券の価格は一般にどう動くか。最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解は D です。あらかじめ受け取る利息額が決まっている債券は、市場の金利が上がると価格が下がる、という逆向きの関係(逆相関)にあります。新しく発行される債券のほうが高い利息を出せるようになるため、利息の少ない既発債は相対的に魅力が下がり、価格を下げないと買い手がつきにくくなるからです。金利と債券価格はシーソーの関係、と覚えましょう。
ポイント
この問題の核心は「金利と債券価格は反対に動く」という基本関係です。理由は、固定の利息額に対して、市場金利が上がると同じ利回りを得るには安く買う必要が生じるからです。「金利が上がる=既発の低利債は割安にしないと売れない=価格は下がる」という流れを、理由とセットで押さえておくと、丸暗記に頼らず説明できます。
ワンポイントアドバイス
「金利が上がると債券価格は下がる」というシーソーの関係を、まずは方向だけでも確実に覚えておきましょう。ニュースで「金利上昇で債券が売られ価格が下落」と出てきたとき、なぜそうなるのかを一文で説明できると理解が定着します。固定の利息額と市場金利を比べる、という視点を持つと、応用問題にも対応できます。
解説詳細
金利と債券価格はシーソーの関係
正解はDです。ここで扱うのは、購入時にもらえる利息額があらかじめ決まっている固定利付債券です。市場の金利が上がると、新しく発行される債券はより高い利息を提示できるようになります。すると、すでに発行されていて利息額の少ない既発の債券は相対的に見劣りし、そのままの価格では買い手がつきにくくなります。買い手にとって魅力を保つには、その既発債を安い価格で買えるようにするしかありません。こうして、市場金利が上がると既発の固定利付債券の価格は下がる、という逆向きの関係が生まれます。
他の選択肢が誤りである理由
Aの「金利が上がると債券価格も上がる」は、金利と債券価格が同じ方向に動くとする記述で、実際の逆相関とは反対なので誤りです。Bの「金利は債券価格に影響しない」は、両者に明確な逆向きの関係がある以上、無関係とは言えず誤りです。Cの「金利が上がると債券は無価値になる」は、価格が下がることはあっても、決まった利息や満期の元本返済という価値が消えてなくなるわけではないため、言い過ぎであり誤りです。正しくは、金利上昇に対して債券価格は下落する、という関係です。