「後継者不在」が深刻な問題とされる最大の理由として最も適切なものはどれか。
解説まとめ
正解はCです。後継者不在の最大の問題は、会社が黒字で事業として成り立っていても、引き継ぐ人がいなければ経営者の引退とともに廃業せざるを得ず、従業員の雇用や培った技術・取引先との関係が失われてしまう点にあります。株価上昇や上場、確定申告の可否は後継者不在の本質的な問題ではありません。
ポイント
後継者不在問題の核心は「会社の収益力ではなく、継ぐ人の有無が事業の存続を決めてしまう」という点です。儲かっているのに後継者がいないという理由だけで会社が消える、という不条理が問題の本質です。業績の良し悪しと承継の可否は別問題だと押さえることが大切です。
ワンポイントアドバイス
「うちは黒字だから大丈夫」と承継を先送りしないようにしましょう。黒字であることと、継ぐ人がいることは別の話です。経営者が元気なうちに後継者候補を3類型(親族・社内・社外)で洗い出し、不在なら早めにM&Aの相談を始めることが、廃業回避につながります。
解説詳細
後継者不在が招く「黒字廃業」
後継者不在とは、会社を引き継ぐ適切な人材が親族にも社内にも見つからない状態を指します。この問題が深刻なのは、会社の業績とは無関係に起こり得るからです。たとえ毎年利益を出している優良な会社であっても、経営者が高齢になり引退する段になって継ぐ人がいなければ、事業をたたむ廃業を選ばざるを得なくなります。これがいわゆる黒字廃業です。廃業によって従業員は職を失い、長年の取引先は仕入れ先や販売先を失い、その会社だけが持っていた技術やノウハウも社会から消えてしまいます。これらの損失を正しく述べているのが選択肢Cです。
なぜ承継を考える出発点になるのか
後継者不在の影響の大きさを理解すると、なぜ事業承継を早くから計画すべきかが見えてきます。継ぐ人がいないと分かった時点から慌てて探しても、後継者の育成やM&Aの相手探しには時間がかかります。経営者が元気で会社の業績が良いうちこそ、選択肢を広く検討できる好機です。後継者不在問題は、承継を「いつか考えること」から「今から備えること」へと意識を変えさせる、最も基本的な動機づけになります。
なぜ他の選択肢が誤りなのか
選択肢Aの「株価が必ず上昇する」は根拠がなく、後継者がいないことと株価の上昇に因果関係はありません。選択肢Bの「必ず上場できなくなる」も誤りで、そもそも多くの中小企業は上場を目指しておらず、後継者不在と上場の可否は直接結びつきません。選択肢Dの「確定申告ができなくなる」も事実に反し、後継者の有無と税務申告の手続きは無関係です。これらはいずれも「必ず」といった断定や、後継者不在とは関係のない事象を結びつけている点で誤りです。