AIで自由記述アンケートを分析する講座|回答を分類・要約し、元回答と突き合わせて受け取る | マナビズ

AIで自由記述アンケートを分析する講座|回答を分類・要約し、元回答と突き合わせて受け取る

AIで自由記述アンケートを分析する講座|回答を分類・要約し、元回答と突き合わせて受け取る

「自由記述、量が多くて全部は読めない」——顧客アンケートや社内サーベイの自由記述欄を任されると、毎回この壁にぶつかります。数百件を上から読み始めても途中で力尽き、印象に残った数件だけを抜き出して報告してしまう。「結局どの意見が多いのか」と聞かれても根拠を示せず、目立つ声だけ拾って偏っていないか不安になる。そんな経験はないでしょうか。この講座は、その「全部読めない」を解消する AI アンケート 分析の型を、手を動かしながら身につけるためのものです。AIに任せれば、全件に目を通したうえで“似た声のまとまり”を出せます。

最初に、この講座が扱う範囲と扱わない範囲をはっきりさせておきます。本講座は「すでに集まっている自由記述(文章の回答)を、AIアシスタントに分類・要約させ、人が元回答と突き合わせて受け取る」という1点に絞ります。そもそも答えを得やすい設問や自由記述欄を“作る”段階はアンケート設計入門が正本です。数値・選択式データの集計やグラフ化はAIデータ分析入門へ、AIアシスタントへの基本的な頼み方や機密データの扱いはChatGPT入門生成AIを仕事で使うへ、文章を短くまとめる一般技法は要約スキルへ、それぞれ送客します。これらの深掘りには本講座では踏み込みません。

この講座を終えると、次の3つができるようになります。集めた自由記述をAIに渡し、似た意見ごとのカテゴリに分類させられること。各カテゴリと全体を、元の回答に沿ってAIに要約させられること。そして、その分類・要約を元回答と抜き取りで突き合わせ、誤分類や書かれていない補いがないか点検して受け取れること。

覚えて帰ってほしい型は、たったこれだけです。分類させる → 要約させる → 元回答と突き合わせて受け取る。 AIは、大量の自由記述を「全件読んで似た声に束ね、要約する」という“読む量”を肩代わりしてくれます。けれど、何が書いてあったかの最終確認は人がやる。これが背骨です。

全章を通して追うのは、次の場面です。あなたの会社が「サービス改善アンケート」を実施し、自由記述(例)の回答が数百件たまっている。この回答群をAIに分類・要約させ、各カテゴリから数件を元回答と突き合わせて、「多かった声と少数だが重要な声」を1枚にまとめて共有する——この一本の糸を、3章で追いかけます。

この講座のポイント

  • 集めた自由記述(テキスト)回答をAIアシスタントに渡し、似た意見ごとのカテゴリに分類させられる。
  • 各カテゴリと全体の自由記述を、元の回答に沿ってAIに要約させられる。
  • AIの分類・要約を元回答と抜き取りで突き合わせ、誤分類や書かれていない補い(ハルシネーション)がないか点検して受け取れる。

AI アンケート 分析の第一歩は「自由記述をAIに分類させる」こと

この章のゴール

集めた自由記述(テキスト)回答をAIアシスタントに渡し、似た意見ごとのカテゴリに分類させられる。

集計表が無いから、まず似た意見を束ねる

選択式の設問なら「はい42件・いいえ18件」と集計表が出ます。けれど自由記述には集計表がありません。だから分析の第一歩は、全件に目を通して、似た意見をまとまり(カテゴリ)に束ねることです。この「全件を読んで束ねる」作業こそ、人が一番つらい部分。ここをAIに肩代わりさせます。

やり方はシンプルです。まず回答テキストを、1件1行で貼れる形に整えます。次に、AIに役割と条件を渡して頼みます。「あなたはアンケート分析の補助です。これらの自由記述だけを根拠に、似た意見でカテゴリ分けして、カテゴリ名と各回答の振り分けを出してください」。ここで大事なのは、「回答に書かれていることだけを根拠に分類し、勝手に意味を足さない」と条件を付けることです。

共通例でカテゴリを作らせる

サービス改善アンケートの自由記述(例)を渡すと、たとえば「価格」「使いやすさ」「サポート対応」といったカテゴリ(例)が返ってきます。これを眺めて、粗すぎないか・細かすぎないかを人が判断します。カテゴリが10個以上に割れて報告に使いにくければ、「もっと粗く、3〜6個にまとめて」と指示し直します。

つまずきやすいのは2つです。1つは、カテゴリが多すぎて報告に使えないこと。もう1つは、AIが回答に書かれていない分類軸——書き手の年代や心理など——を勝手に作ってしまうことです。後者が出たら、「回答文に書かれた内容だけで分けてください」と制約をかけ直します。なお、そもそも答えを得やすい設問や自由記述欄の作り方そのものはアンケート設計入門が扱います。本講座は、集まった回答を分析する“次の一歩”です。

この章の確認(演習)

手元(または例)の自由記述10〜20件をAIに渡してカテゴリ分類させ、出たカテゴリ名を3〜6個に粗くまとめ直す指示を、1回出してみましょう。

カテゴリと全体をAIに要約させる

この章のゴール

各カテゴリと全体の自由記述を、元の回答に沿ってAIに要約させられる。

多い声と、少数だが重要な声を取り出す

カテゴリに束ねたら、次は「各カテゴリで何が言われているか」を短い要約にします。さらに、全体として多かった声と、少数だが見逃せない声を取り出します。報告で本当に効くのは、この「多数派」と「重要な少数」の両方です。

頼み方はこうです。第1章のカテゴリ(例)ごとに、「このカテゴリの回答を2〜3文で要約し、代表的な声を原文のまま1〜2件、抜き出してください」と頼みます。要約だけでなく原文ママの代表回答を一緒に出させるのがコツです。生の声が添えば、報告を読む人も納得しやすく、後で元回答と照合するときの足がかりにもなります。続けて「全体で目立った声と、少数だが重要そうな声」を出させれば、報告の骨子ができあがります。

盛った要約をさせない頼み方

ここで気をつけたいのが、AIが「○割が不満でした」といった根拠の弱い割合を作ったり、要約に回答へ書かれていない提案まで足したりすることです。これを防ぐため、「件数や割合は断定せず、回答にある内容だけを要約して」と最初に制約しておきます。正確な件数や割合の集計が必要なら、それは文章の要約ではなく数値の集計の仕事です。選択式の点数や件数を集計・グラフ化したいときはAIデータ分析入門へ進んでください。本講座は、あくまで文章の要約に絞ります。

この章の確認(演習)

第1章で作ったカテゴリ(例)から1つ選び、「2〜3文の要約+原文ママの代表的な声1件」をAIに出させてみましょう。

分類・要約を元回答と突き合わせて受け取る

この章のゴール

AIの分類・要約を元回答と抜き取りで突き合わせ、誤分類や書かれていない補い(ハルシネーション)がないか点検して受け取れる。

AIの要約は、そのまま報告に使わない

ここが一番大事な章です。AIの分類・要約は“読む量”を肩代わりしてくれますが、そのまま報告に使ってはいけません。誤分類が混じることもあれば、回答に無い内容を足してしまうこともあります。後者は「ハルシネーション」と呼ばれ、AIが事実に基づかない誤りをもっともらしく作ってしまう現象です。総務省の白書も「生成AIは事実に基づかない誤った情報をもっともらしく生成することがあり、これをハルシネーション(幻覚)と呼ぶ」とし、「技術的な対策が検討されているものの完全に抑制できるものではない」ため、利用者が「出力した答えが正しいかどうかを確認することが望ましい」と述べています(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。

だから、受け取る前にひと手間かけます。各カテゴリから1〜2件ずつ元回答を開き、AIの振り分け・要約と照合します。代表として引用された声が原文と一致しているか。要約に、元回答へ書かれていない話が混じっていないか。「この回答はこのカテゴリで本当に合っているか」を人が確かめます。ズレを見つけたら、「この回答は別カテゴリではないですか」と指摘して直させ、直った版を報告に使います。

個人情報・機密が混じっていないか

つまずきで特に気をつけたいのが2つ。1つは、AIの出力を読んだ気になって全件信用してしまうこと。要約がもっともらしいほど、検証を省きたくなります。抜き取り点検は必ず1回はやる、と決めておきましょう。もう1つは、自由記述に混じりがちな個人情報や社外秘を、そのままAIに入力してしまうことです。白書も「個人情報や機密情報がプロンプトとして入力され、そのAIからの出力等を通じて流出してしまうリスク」を指摘しています(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。氏名や連絡先が書かれた回答は伏せる、無料で誰でも使えるAIに社外秘を入れない、社内のルールを確認する——この線は必ず守ってください。AIに渡してよい情報の線引きは生成AIを仕事で使うで詳しく学べます。

この章の確認(演習)

自分が出させた分類・要約から1カテゴリを選び、元回答2件と突き合わせて、「誤分類・足し(書かれていない補い)・特定可能情報」の有無を自己チェックしてみましょう。

まとめ

自由記述の分析は、全部を一人で読み切る作業ではなくなりました。AIに分類させ → 要約させ → 元回答と抜き取りで突き合わせて受け取る。この3手を通せば、全件に目を通したうえで、目立つ声だけに偏らない報告ができます。読む量を肩代わりするのはAI、何が書いてあったかを最後に確かめるのは自分です。

明日の一歩として、手元にたまっている自由記述を1件1行に整え、AIに「回答に書かれた内容だけでカテゴリ分けして」と頼んでみてください。一度この型を通すと、放置していた「その他・自由記述」欄が、根拠のある報告に変わります。選択式や点数など数値側の集計・グラフ化に進みたいときはAIデータ分析入門へ、設問づくりに戻るならアンケート設計入門へ進みましょう。

自由記述分析プロンプト集(分類・要約・点検の3手順テンプレート)をメルマガ登録でお配りしています。次のアンケート集計からそのまま使えます。

よくある質問

AIに自由記述を渡せば、分析は丸ごと終わりますか

終わりません。分類軸が妥当かのチェックと、誤分類・ハルシネーションの抜き取り点検は人が担います。AIは“読む量”を肩代わりするだけ、と考えてください。

アンケートの回答をそのままAIに貼って大丈夫ですか

氏名・連絡先など個人情報や社外秘が混じる回答は注意が必要です。総務省の白書も入力情報の流出リスクを指摘しています。伏せられる情報は伏せ、社内ルールに従ってください。

数値の集計やグラフも作れますか

本講座は文章(自由記述)の分類・要約に絞ります。選択式の件数・割合の集計やグラフ化は、AIデータ分析入門へ進んでください。

監修
マナビズ編集部

マナビズ(Manabiz)編集部。AIを活用した原稿制作に加え、人間によるレビューで品質を担保しています。 編集ポリシー

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