MASTER / COMMUNICATION

聞いたことを正確に理解する

「聞いた」と「正確に理解した」は同じではない。相手が言ったこと・自分の解釈・未確認のことを分け、間違えると影響が大きい点を短く確認し、会話の最後にやることと期限をそろえる方法を、例と演習で学びます。

約25分入門演習 3問講義をはじめる

※ 資料の提出や新プランの説明などの場面は、説明のための架空の事例です。確認の言葉の例は唯一の正解ではありません。

この講義でできるようになること

  • 聞いた内容を「相手が言ったこと・自分の解釈・未確認のこと」に分けられる
  • 「早めに」「簡単に」などのあいまいな言葉を、作業条件に変えて確かめられる
  • 期限・担当範囲・完成の条件など、間違えると影響が大きい点を絞って確認できる
  • 会話の最後に、やること・期限・未決定のことを短くそろえられる

前提知識

特になし。はじめての人でも学べます。

傾聴・質問力報連相の基本

00:00 / 14:42

1第1章聞いたのに、違っていた

Space 再生/停止・← → 10秒移動・N / P で章を移動・C で字幕。右の「文字で読む」で、話している内容を文字で追えます。

演習:手を動かして確かめる

講義を見終えたら取り組みましょう。入力した内容はこの画面の中で使うだけで、どこにも送信されません。

問題 1 / 3

「金曜の会議までに、前回より短めの説明資料を用意して」。この発言から、相手が実際に示した内容はどれ?

選択肢

聞いたあとの確認リスト

  • 相手が実際に言ったことと、自分が補った解釈を分けたか
  • あいまいな言葉(早めに・ざっくり・優先して など)を、作業条件に変えて確かめたか
  • 期限・担当範囲・完成の条件のうち、間違えると影響が大きい点を確認したか
  • メモを「決まったこと・まだ決まっていないこと・担当・期限」に分け、不明点は「未確認」と書いたか
  • 会話の最後に、何をするか・いつまでにするか・まだ決まっていないことをそろえたか
次の講座報告と相談の技術
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第1章 聞いたのに、違っていた

資料早めに出しておいて そう言われた新人は 明日の朝までに提出すれば良いと思いました ところが上司は 今日の午後には見られると思っていました どちらかが話を聞いていなかったのでしょうか そうとは限りません 二人とも同じ言葉を聞いていても その意味を違って受け取っていたのです 職場の認識違いは こんな小さな言葉から生まれます 言葉を聞いたことと相手の意図を正確に理解したことは同じではありません 早めに、いい感じに、簡単に 普段よく使う言葉ほど人によって意味が違います そして自分の頭の中で補った意味は相手から直接聞いた事実ではありません この違いに気づくことが正確に理解する第一歩です 今回の目標は3つです 聞いた内容と自分の解釈を分けること 曖昧な言葉を実際の作業条件に変えて確かめること そして会話の最後に 次に何をするかを短く確認することです 前の講座で必要な質問を考える方法を学びました 今日はその答えを取り違えずに受け取る練習をします

第2章 事実・解釈・未確認を分ける

相手の話を聞いたとき頭の中で3つに仕分けしましょう 1つ目は相手が実際に言ったこと 2つ目はそれを聞いて自分が考えた意味 3つ目はまだ確かめていないことです 例えば来週までにと言われた これは実際に聞いた言葉です 来週の月曜日までだろうは自分の解釈 何曜日の何時までなのかはまだ未確認です この3つを混ぜるといつの間にか推測を事実として扱ってしまいます 曖昧な言葉は期限だけではありません ざっくりまとめては結論だけで良いのか数字は必要なのか 優先しては他の仕事をやめて良いのか 関係者に共有しては誰にどの方法で送るのか こうした言葉を聞いたら相手が使った言葉をそのまま記録しつつ 作業を始める前に具体的な条件を確認します 勝手に細かくすることも勝手に簡略化することも正確な理解とは違います ここで聞いた事実と自分の解釈を分ける練習です 金曜の会議までに前回より短めの説明資料を用意して この発言から相手が実際に示した内容はどれでしょう 金曜に会議がある 5枚以内にする 前回より短めにする 木曜の17時に提出する 動画を一度止めて考えてください 事実として読み取れるのは金曜の会議があることと 前回より短めという方向性です 5枚以内も木曜17時も相手が言ったわけではありません 作業に必要なら追加で確認します

第3章 確認は「短く、具体的に」

確認するとき相手の言葉を最初から最後まで繰り返す必要はありません 大切なのは間違えると仕事が変わってしまう点を選ぶことです 特に期限・担当範囲・完成の条件 この3つは確認する価値があります つまり金曜の会議で使う前回より簡潔な資料を作るということですね 会議前日の木曜までに一度確認していただく必要はありますか このように分かったことと未確認のことを分けて伝えます 覚えておきたい型は私の理解ではこういうことですね ここはこの認識であっていますかです 例えば私の理解では今回の資料は営業会議で使う概要版ですね 数字は売上と件数の2つを入れればよいですか 相手がいや利益も必要と直せる形になっています ただし決めつけた二択に押し込むのは避けましょう 選択肢がまだわからないときはどの数字が必要ですかと開いた質問で確かめます 確認を繰り返すとしつこいと思われないか心配になることもあります その場合は目的を添えましょう 認識を揃えるため一点確認させてください 手戻りを防ぎたいので期限だけ確認しても良いですか 大切なのは同じことを漫然と何度も聞くのではなく 間違えると影響が大きい点を絞って確かめることです 確認して違いが見つかったら 自分の理解をその場で更新します わかりました 金曜ではなく木曜の16時に確認版を提出します 相手が直してくれた内容を そのまま次の仕事の条件にしましょう

第4章 話を聞くときの実践技術

話を正確に聞くには質問だけでなく聞く姿勢も重要です 途中でつまりこうですよねと決めつけると 後半に重要な条件が出てくるかもしれません まずは相手が一つのまとまりを話し終えるまで聞く その後で必要なら確認する 分かったつもりになった瞬間ほどまだ情報が残っていないか注意しましょう メモを取るときも一言一句を書き写す必要はありません 仕事に使うメモなら決まったこと まだ決まっていないこと 誰が担当するかいつまでにするか この4つに分けると便利です 例えば資料は2枚にする 比較項目は未確定 自分が下書き 木曜15時に確認依頼 こうしたメモなら後で読み返したときすぐに動けます 曖昧な点は空欄のままにせず未確認と書いておきます 相手が話す内容にも事実と見立てが混ざります 例えば最近売上が下がっている お客様は価格を気にしているんじゃないかな 売上が下がったという話はデータで確かめられる内容です 一方、価格が理由だというのは、その人の見立てです この2つを同じ確定事項としてメモしないようにしましょう 売上減少は数字で確認する 価格の影響は仮説と書き分けるだけで、次に調べるべきことが明確になります 相手の声が聞こえなかったり、専門用語がわからなかったりすることもあります その場合前後の文脈で勝手に補わず聞き直してください 最後の期限の部分だけもう一度お願いします その用語はどの作業を指していますか 全部を聞き返すよりわからなかった部分を限定すると相手も答えやすくなります

第5章 会話の終わりで認識を合わせる

会話の最後には1分以内で良いので 要点を揃えます 何をするのか いつまでにするのか まだ決まっていないことは何か 例えば私が説明資料の2枚版を作り 木曜15時にお送りします 比較項目は今日中に別途確認します この確認があれば後でそういう意味ではなかったというすれ違いが起こりにくくなります 口頭で確認したことが後で見返す必要のある仕事なら 適切な社内の方法で短く記録しましょう 本日の確認事項です 私が2枚の概要資料を作成し木曜15時に確認版を提出します 項目は確認中です 会話のすべてではなく合意した条件を残します もちろん社内ルールに従い 機密情報の扱いや送信先に注意してください 後から勘違いしていたかもしれないと気づくこともあります その時は気づいた時点で確認しましょう 小さな思い違いでも 作業が進むほど直すのは難しくなります 正確に理解するとは一度で完璧に聞き取ることではありません 自分の理解が正しいかを必要な場面で確かめ続けることです

第6章 総合演習とまとめ

最後に総合演習です 上司がこう言いました 来週の月曜に営業チームへ 新プランの変更点を簡単に説明したい 資料は少なめで 数字は後で伝える 聞いた事実と自分の解釈 まだ確認していないことを分けてみましょう さらに一つだけ確認の言葉を考えてください 動画を止めて取り組みましょう 回答の一例です 事実は来週月曜に営業チームへ説明すること 新プランの変更点を扱うこと 数字は後で共有されること これを3枚と考えたならそれは解釈です 確認として説明資料は概要を2、3枚に絞る想定ですが 詳しい数値は後から追加する形で良いですかと聞けます ただし適切な枚数は確認して初めて決まります 覚えておきたいのは3つ 聞いた言葉と自分の推測を分ける 間違えると影響が大きい点を短く確認する そしてやることと期限を揃えて会話を終える 次の講座では、こうして集めた正確な情報を使い、上司に伝わる報告と相談の方法を学びます